空、飛ぶ (ページ26)

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「周りが自分の事アイドルだって知ったら
利用されたり色目使われたりいっぱいあんねん。
だから紫耀だって自分からは言わなかった。
普通に接してくれる貴方の事が
貴重な存在だし居心地良かったんちゃう？
まぁそれも貴方が俺らの存在を知って
こういう結果になったけど」

つくづく馬鹿な事をしていた
結局自分の事しか考えてないな、私

「いらん心配だったんちゃう？
いつも通り、それが一番。
紫耀が何かしちゃったかな～だのなんだの
うるさかってん、どうにかして」

紫耀くん、そんな事言ってたんだ
申し訳なかった気持ちと
少し嬉しい気持ちが混ざる

『なんか吹っ切れました。
話し聞いて貰っちゃってありがとうございます、
えっと…お名前は？』

そう言うと
はぁ？みたいな顔をして

永瀬廉

と教えてくれた

『ありがとうございます、永瀬さん』

「廉でええよ。てか敬語もいらんし。
俺の方こそいつの間にか敬語忘れて
ズケズケ言ってもうてすみません」

すみませんって言う割には
顔が笑ってて本当に謝ってるの？って思ったけど
つられて笑ってしまった

アイドルは笑顔にするのが上手いな

『さすがアイドルって事だね』

「急になんやねん。
どうも、アイドルやってる永瀬廉です～。
イケメンが溢れ出て止まらへんわぁ」

こんなにも自然に喋れてるじゃないか
何を馬鹿みたいに悩んでたんだろう

二人の笑い声で紫耀くんが起きるまで五秒前

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