空、飛ぶ (ページ17)

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「しょうくん、しょうくん、しょ、う、く、ん」

ゆっくりと、確実に自分の名前を覚えさせる

程なくして

「コンバンハ～コンバンハ、ショウクン」

「えっ！？今！今言ったよね！？名前！」

『言った言った！やったー！おめでとう！』

二人で声を上げて喜ぶ

こんなに喜んでくれるなんて
思ってもみなかった
こっちまで嬉しくなっちゃうじゃん

今度は何を覚えてもらおうかな～
なんて言ってる紫耀くん

あ、また来てくれるんだ

「あ、俺そろそろ帰るね。
今日はありがとうございました！
なんか明日からの仕事も頑張れそ～！
キナコ、バイバイ！」

「バイバイショ、ショウクン」

『あはは、おやすみ紫耀くん』

「お邪魔しました～。
Aさん、おやすみなさい！」

最後まで笑顔の彼を見送る

静かになった部屋

知らない紫耀くんを沢山知れた

ああ、楽しかった

年甲斐もなくはしゃいでしまった自分が
少し恥ずかしい

何やってんだ私

*