花鳥風月 (ページ7)

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6 .贈られた四季ページ7

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「紹介するよ、遊馬Aさんだ」

『あの、初めまして。遊馬です』

Snow Manと呼ばれる彼等を前にして少しだけ自信がなくなる。だけど私もここで引き下がる訳には－－－。

「深澤辰哉です、宜しく」

「…岩本です」

「佐久間大介、です」

「初めまして、俺は阿部亮平です。それから宮舘涼太と、渡辺翔太」

「……どうも」

「…………」

阿部と名乗る彼が、何を考えているか掴めない表情をした人を宮舘涼太、眉を顰めて嫌悪感を全面に出した人を渡辺翔太と呼んだ。

その場の空気は言うなれば最悪。この中でやっていける？だけど決めたじゃん私。頭の中に浮かぶ疑問を振り払って彼らに向き合う。

『あの！！！っ、私には特にこれといった取り柄もありません、皆さんの気持ちも少なからず分かります。どこの馬の骨かも分からないような奴が突然現れて、メンバーに加わるだなんて、有り得ない話だって分かってます。だけど、やっと夢を持てたんです。皆さんに認めてもらう為にはどんな努力だって厭いません。だから、一緒にとはいわなくても、同じ道を歩かせて下さい。』

－focus of 渡辺－

会議室に入ってきた新メンバーと呼ばれる女の子。正直、訳が分からないと思った。え、俺達ジャニーズじゃん。なんで女の子なんか連れてきてんの滝沢くん。何これドッキリでも仕掛けられてる？

そう思ったのも一瞬で、滝沢くんの真剣な顔に本気なんだと悟る。

皆それぞれ思う事があるんだろう、その中でも挨拶を返しているけど俺はとても彼女を受け入れる気にはなれなかった。

なれなかったのに、だ。名乗った時とはまるで別人かのように、大きな声で俺達に意思を伝える彼女は、俺達に比べると小さいのになんだか大きく見えた。

少し怯えたような顔で、だけど瞳の奥底には情熱とか、野心が宿っているような。目の前の彼女に少し心が揺れる。俺達がSnow Manで、雪で、冬なら。彼女は降り注ぐ陽射しで、夏なのかも。

滝沢くんの言っていた、「お前達にとっていい方向に動く」って言葉。もしかしたらその通りかもしれないな、なんて。

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