慣れ ページ12
『明後日の夜、空いてますか？』
『うん』
『では〇〇ホテルのエントランスで、９時に』
『まいどあり』
先日の青年とのLINEを見返しながら今夜の準備をする。彼は大体週に一回のペースで私に依頼し、毎回ただ寝るだけを繰り返している。私が彼の寝顔を見れたのはあの時の一回だけで、後は全て彼の方が先に起きていた。可愛い顔してるのに、残念である。
全身鏡の前で一回転。うん、可愛い。今日の私は可愛いから明日もきっと可愛い。でも、数年後はどうだろう。この容姿のまま時が止まればいい。そうしたら、私は一生誰かに求められながら生きられるのに。
｢………？｣
お風呂に入っている彼を待っていると、どこからか携帯の着信音が鳴り響いた。キョロキョロと辺りを見回すと二人がけのテーブルに置かれたバックの中から。……青年のである。一瞬無駄に考え込んでしまった。
いやだって、彼は私を一人きりにする場合は絶対にスマホどころか紙きれ一つ置いていかない。素晴らしい防犯意識と警戒心……であるはずだったけど。
………そんなに眠れてないのかな。
睡眠不足はあらゆる事に置いてパフォーマンスを低下させる天敵である。今の青年は相当追い詰められているのかもしれない。
『＿＿＿ちょっとセンパイ？どれだけお客様を煽り散らかしたかは知りませんけど同僚に迷惑をかける事だけは止めてもらえませんか？？電話出ろよ！！！！！！』
着信主はかなりご立腹である。可愛らしい声とは裏腹にかなりのキレ声で着信音は切れた。
……聞かなかった事にしよう。
｢留守電聞こえてましたよね？｣
｢……………うん｣
客と長く関係を続けていく秘訣、それはどれだけバレバレの嘘を言わないかだ。
｢ごめんなさい……｣
｢……置いていった僕も悪かったですし気にしないでください。聞かれてもさして問題ない内容でしたし｣
｢剣持さんって接客業なんですか？｣
｢…まァそんなところです｣
その筋の接客業……取り立て屋か？…詮索は止めておこう。まだ死にたくはない。
青年は疲れたようにため息をつく。片時も身体から離そうとしない刀を片手に、彼は欠伸をした。
………あの、警戒心の塊が。
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利き手(プロフ) - 仕事の休憩中に見つけて帰るまでに一気に読み切ってしまいました...きっとこれがmcやgkが出てくる物語じゃなくても大好きになっていたと思います。最初から最後まで美しくて、どこか神秘的で読んでいてすごく引き込まれる作品でした。完結おめでとうございました。 (12月29日 16時) (
レス) @page49 id: fbcc91bb13 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 素敵な作品を読ませて頂きました…最後までどこか品があって、それでいて読んでいて面白くて、展開が気になる素晴らしい話でした…本当に読めて良かったです (9月19日 2時) (レス) @page49 id: e4e98c4f7d (このIDを非表示/違反報告)
YURIKA(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初から最後までマジェmcの素晴らしさが詰まってて、楽しく読ませて頂きました。素敵な作品をありがとうございました！🥰 (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 2ef72ec18a (このIDを非表示/違反報告)
パントマイム(プロフ) - 完結おめでとうございます！ 連載当初からこっそりと追わせていただきましたが、本当に最高でした！ 終始どうなるかとドキドキしっぱなしで、無事最後は3人にとって幸せな結末に辿り着いたようで本当に良かったです！ 素敵な作品をありがとうございました💗 (2023年1月23日 21時) (レス) @page49 id: 664cb7fff4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴた(プロフ) - 霰さん» ありがとうございましす😭マジェknmcの魅力をもっと繊細にかけるように頑張ります！ (2022年12月25日 19時) (レス) id: 2515d01abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴた
| 作成日時：2022年11月2日 20時
