変な違和感 ページ9
「ただいまー。」
「…おかえり。」
聞こえてきた返事は、ひとつだけ。
台所から聞こえてくるトントン、という音から察するに、返事の主はお昼を作ってくれているのだろう。
「プロテイン買ってきたよ。あとこれね、ふわふわのやつ。」
「あぁ、ありがとう。」
「今日のお昼何？」
「焼きそば。」
心の中で、軽くガッツポーズを決める。
西蔭くんの焼きそばは、結構好きだ。
だけどまな板の上にきちんと並べられた野菜たちは、いつもよりもやっぱり少ない。
そして麺も、お皿の数も、お箸の数も。
「………あれ？」
何だろう、この感じ。
何か、変？もしかして私、今朝何か変なものでも食べたかな。
「じゃあ、行ってくる。」
「あ…うん、行ってらっしゃい。」
西蔭くんが出かけただけで、この家にひとりぼっち。
何の物音もしないし、野坂くんの部屋の電気は一度もつかない。
「……いてっ。」
ピーラーで怪我をしても、「またやったの」とため息をついて絆創膏を巻いてくれる人も。
「そろそろできる？」と、テーブルにスプーンやコップを並べてくれる人も。
……いない。どうして？
「おやすみ。」
「あ…おやすみ。」
まだ夜の8時だって言うのに、西蔭くんはお風呂から上がってそそくさと自分の部屋に閉じこもってしまう。
別にこれだって、いつものこと。
なのに何だろう、この違和感は。
やっぱり変だ、不思議な感じが収まらないんだ。
寂しい……のかな。いやいや、そんな訳ないか。
だって、もはや鬱陶しいほど一緒にいる訳だし、まさかそんな、たった1週間ぽっち離れるくらいでこの私が寂しいだなんて。
「………寂しい。」
「え？何か言った？」
「…何でもない、です。」
「あ、そう？」
普段通り始まった学校で教科書を出しながら、今度は人にも聞こえるような声量で呟いてしまっていたらしい。たまたま隣にいた宇津くんに、聞き返されてしまった。
後ろを向けば、野坂くんが座っているあの日常。そして部活に行く時も、野坂くんと一緒に向かう日常。
それ全部が、何故か無くて。何故か…寂しい。
「はぁ……。」
こんなにも空っぽになるものかね、と頭の中でぼやいてから、先生の指示通りに教科書を広げた。
確か今は火曜日の2時間目で、現代文の授業だったか。
…あれ、まだ火曜日？
もう体感的には、金曜日くらいのはずなんだけどな。
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もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» これからどんどん、色んなことが起こってあんなことやこんなことが明らかになっていくので、是非楽しみにしていてください笑 (2020年8月18日 14時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 水の犬。さん» ご返信遅くなってしまってすみません…！コメント、こちらにも残してくださってありがとうございます(´；ω；`)亜芽ちゃんの正体、これからどんどん明かしていきます〜！これからもお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年8月18日 14時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
絵菜 - ヴ!!!こ、こわい。でも気になる。ヴぅ (2020年8月13日 22時) (レス) id: bc65156607 (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。亜芽ちゃん想像する限り私の好みっぽい子なんですが…亜芽ちゃんの正体？や、存在が展開にどう影響を与えるか気になります！いつも素敵なお話ありがとうございます。無理せずもちまる。さんのペースで頑張ってください！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 88a373f457 (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» キュンキュンな方向に向かわせてますが不穏な空気も出してしまいました〜〜！！けどお楽しみに〜！！！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2020年7月15日 22時
