思い出の夏 ページ23
野坂くんの言うことは、いつだってほとんど正しい。
だから亜芽ちゃんには近寄らない方が良いことも、本当なのかもしれない。
野坂くんのことは信じたい…というか信じているし、その言葉を疑っているわけでもない。
だけど私の目に映る亜芽ちゃんだって、近寄らない方が良いだなんて到底思えないくらい可愛くて良い子なんだ。
「そうか。それは良かった。」
…分からない。
私にはどっちも信じることしか、できない。
「うん。…野坂くんは？」
「ん？」
「今日はどんな感じだったの。」
だからこの心の内を悟られないように、勘付かれないように。
いつも通りを演じて、いつも通りに喋って。
…何だろう、これ。
何だかすごく違和感というか、変な感じというか。
「今日はね、すごく疲れちゃったんだ。朝からほとんどずっと走りっぱなしで。」
「わぁ…野坂くんがそんなこと言うなんて、よっぽどキツいメニューだったんだね。」
「あはは、僕は別に、部活でもよく疲れたって言ってるけど？」
「え、そう？なんか…体力オバケって感じが抜けないよ、夏合宿の時から。」
ただ違和感はあっても、居心地が悪くなったわけじゃない。
野坂くんはいつも通りだ。そして亜芽ちゃんも、出会ってから何の変化もない。
だから変わったのは、私だけ。
かと言って野坂くんと話すのはいつもと同じように楽しくて、いつもと同じように胸が弾む。
結局この声を聴いている時が一番、心地良い。
「わあ、夏合宿。なんだかもう、懐かしいね。」
「ほんと。嘘みたいに暑かったなぁ。」
「そう、それで永世の皆んなとも再会したりして…夜は僕の部屋で、皆んなとゲームしたんだっけ？」
…そうだ。なんだかずっと昔のことのような気がしてしまうけれど、夏合宿は今からたったの3ヶ月前のこと。
ひとつずつ辿ってみれば、まだまだ記憶は新しい。
「そう…先輩たちがズカズカ入ってきてさ。王様ゲームだっけ？あれ、生きた心地しなかったよ。」
「あれが始まったら今年は逃げようって、肝に銘じてたんだけどね。急に攻め込まれてきちゃ、為す術もなかったな。」
「…あ！あんたさ、私に思いっきりデコピンしてきたよね。あれほんっとに痛かったんだから。」
あの時の痛みや怒りが、フツフツと沸き上がる。
女の子相手に、容赦なく中指を猛スピードでぶつけてきたのは紛れもないこの人だ。
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もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» これからどんどん、色んなことが起こってあんなことやこんなことが明らかになっていくので、是非楽しみにしていてください笑 (2020年8月18日 14時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 水の犬。さん» ご返信遅くなってしまってすみません…！コメント、こちらにも残してくださってありがとうございます(´；ω；`)亜芽ちゃんの正体、これからどんどん明かしていきます〜！これからもお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年8月18日 14時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
絵菜 - ヴ!!!こ、こわい。でも気になる。ヴぅ (2020年8月13日 22時) (レス) id: bc65156607 (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。亜芽ちゃん想像する限り私の好みっぽい子なんですが…亜芽ちゃんの正体？や、存在が展開にどう影響を与えるか気になります！いつも素敵なお話ありがとうございます。無理せずもちまる。さんのペースで頑張ってください！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 88a373f457 (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» キュンキュンな方向に向かわせてますが不穏な空気も出してしまいました〜〜！！けどお楽しみに〜！！！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2020年7月15日 22時
