妙な温度差 ページ20
「…だよね？西蔭くん。」
野坂くんは昨日、西蔭くんと話すと言って電話を切った。
2人が何を話したのかは、それなりに気になっている。
「さぁ。今のところはよく、分からない。」
「え。分からないって、どういうこと？」
「あいつが動き出すとしたら、野坂さんがこちらに戻ってきてからになるだろう。…だからまあ、野坂さんの仰る通り、それまで極力接触は避けた方がいいと思うが。」
「そんな…でもさ。野坂くんが帰ってきてから動き出すんなら尚更、今仲良くしてても良くない？てゆか、動き出すって何？昨日2人で何を話したの？オーナーって…何のこと。」
教室で西蔭くんの机に肘をつき、我ながら怒涛の質問攻め。
西蔭くんは若干呆れて軽いため息をついた後、一拍置いてから喋り始めた。
「まぁ、どれも紫野がわざわざ知る必要はないことだ。野坂さんは少し警戒しているようだが、そもそもアレスの天秤システムは野坂さんが潰して崩壊させた。…だから俺は、それ程心配もしていない。」
なんだ、珍しい。
いつも息ぴったりで、野坂くんの言うことは何だって絶対だった西蔭くんが、今回ばかりは野坂くんより落ち着いている。
何となく温度差があるというか、ちょっと冷めているというか。
「アレスの天秤って…たしか私たちが中2だった時に、話題になったやつだっけ。」
「あぁ。だが深く知らないなら気にするな。そこに首を突っ込んでも、何も良いことはないぞ。」
そう話す西蔭くんの目は、この話題にはこれ以上触れて欲しくなさそうな憂いをどことなく帯びていた。
その理由は、何となく分かる。
野坂くんと同じで、アレスの天秤は「見えない傷」となって彼にも深く刻まれているのだろう。
変に言えば黒歴史。ちゃんと言えば…消したい、過去。思い出したくない過去だ。
「それより紫野、今日は食事当番を頼むぞ。」
「…え？買い物は？」
「今日は荷物が重くなりそうだから、俺が行く。簡単なものでいいから、軽く作っておいてくれ。」
…なんだ、優しい。
西蔭くんって普段は無口だし、「野坂くんVS私」の時は徹底的に私を敵視してくるけれど、いざとなったら優しいんだよな。
「あ、そう？…ありがと。」
亜芽ちゃんの件について、これ以上西蔭くんとは何も話さなかった。
だけどどうしても１つ、頭に引っかかることがある。
________アレスの天秤、そしてそのオーナー。
彼女がオーナーの“お気に入り”である、ということは。
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もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» これからどんどん、色んなことが起こってあんなことやこんなことが明らかになっていくので、是非楽しみにしていてください笑 (2020年8月18日 14時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 水の犬。さん» ご返信遅くなってしまってすみません…！コメント、こちらにも残してくださってありがとうございます(´；ω；`)亜芽ちゃんの正体、これからどんどん明かしていきます〜！これからもお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年8月18日 14時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
絵菜 - ヴ!!!こ、こわい。でも気になる。ヴぅ (2020年8月13日 22時) (レス) id: bc65156607 (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。亜芽ちゃん想像する限り私の好みっぽい子なんですが…亜芽ちゃんの正体？や、存在が展開にどう影響を与えるか気になります！いつも素敵なお話ありがとうございます。無理せずもちまる。さんのペースで頑張ってください！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 88a373f457 (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» キュンキュンな方向に向かわせてますが不穏な空気も出してしまいました〜〜！！けどお楽しみに〜！！！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2020年7月15日 22時
