猫には勝てない子 ページ12
私よりも小柄で、目はまん丸。
肩に少しだけ触れているおさげ頭が、所々ゆるりとほつれている。
そして彼女が喋れば喋るほど、鈴が転がるようなその声を、どこか心地よく感じていた。
「あはは、でもきっとすぐに覚えられるよ。…お名前は？」
「あっ、私…えっと、片瀬亜芽って言います。よく変な名前だって言われますけど…。」
「あめちゃん？可愛い名前！これからよろしくね、亜芽ちゃん。」
人見知り、照れ屋、慌てん坊の方向音痴。多分不器用。そして、猫には勝てない。
なんだか小動物みたいで、それから声が凄く可愛い。
彼女の第一印象は、ザッとこんな感じだ。
「あっ…はい！よろしくお願いひま…します！」
喋り始めに“あっ”がつく、そしてよく噛む。
これも追加…かな。
「えっと、遅刻したらまず職員室に行かなきゃいけないんだ。案内するよ、一緒に行こ。」
「えっ、い…良いんですか？あでも、保健室は…。」
「あはは、保健室はね、半分サボりだから。後でこの傷の絆創膏貰いに行くだけだよ、気にしないで。」
「あ…そう、なんですか？何だかすみません、何から何まで…。」
彼女も偶然敬語だし、どこか一歩下がっている感じはあるけれど、他のクラスの女の子たちみたいに妙な距離感を取られていることは感じない。
…なんだかこんなに女の子と自然体で話せるの、高校入ってから初めてかも。
「亜芽ちゃんは、どこのクラスなの？」
「えっと、Cクラスです。転校生は学力の振り分けができないので、みんなCクラスになるそうです。」
「あぁ、そっか。うちのがっこ、そういうとこ面倒くさいよね。」
願わくば彼女と同じクラスに…と思ったけれど、生憎そうも行かなかったらしい。
「あの、Aさんは、どこのクラス…なんですか？」
「…え？名前、言ったっけ。」
「あ、いや…！あの…あ、ほら！そのカーディガンのタグに書いてあったお名前が、さっき見えて…。」
「あ、これ？」
教室を出た時に、雑に畳んで腕にかけた紺色のカーディガン。
たしかに、これには名前を書くためのタグがつけてあって、そこに記名したような覚えがある。
「はい、すみません…盗み見みたいなことしてしまって。」
「はは、全然いいよ。寧ろ名前言ってなくてごめんね。改めまして、Aクラスの紫野Aです！」
「あっ…！じゃあ、」
するとずっと俯きがちだった彼女が、ここに来て漸く顔を上げた。
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もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» これからどんどん、色んなことが起こってあんなことやこんなことが明らかになっていくので、是非楽しみにしていてください笑 (2020年8月18日 14時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 水の犬。さん» ご返信遅くなってしまってすみません…！コメント、こちらにも残してくださってありがとうございます(´；ω；`)亜芽ちゃんの正体、これからどんどん明かしていきます〜！これからもお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年8月18日 14時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
絵菜 - ヴ!!!こ、こわい。でも気になる。ヴぅ (2020年8月13日 22時) (レス) id: bc65156607 (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。亜芽ちゃん想像する限り私の好みっぽい子なんですが…亜芽ちゃんの正体？や、存在が展開にどう影響を与えるか気になります！いつも素敵なお話ありがとうございます。無理せずもちまる。さんのペースで頑張ってください！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 88a373f457 (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» キュンキュンな方向に向かわせてますが不穏な空気も出してしまいました〜〜！！けどお楽しみに〜！！！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2020年7月15日 22時
