おっちょこちょい転校生 ページ11
「すみません、猫さん抱っこして離してくれませんか？」
猫に“さん”付け…って、するっけ。ていうか猫って、こんなに必死に何かに食らいついたりする生き物だっけ？それって犬…とかいうやつだったような。
まぁそれはともかく、間違いなく目の前の彼女は困っている。
ここは1つ、人助けすることにしよう。
「よい…しょ、っと。」
ウニャウニャと唸る猫を抱き上げて、口元をちょっと失礼。人のものは、捕獲したらダメなのです。猫…さん。
「いてっ。」
格好の獲物を私に奪われた猫は、イライラMAX。強烈な猫パンチとともに、私の腕に数センチの引っ掻き傷を負わせてきた。
「わ…！大丈夫ですか、傷…！」
“このやろう、覚えてろよ”。去り際の猫の目は、たしかにそんな意を孕んでいた。
「あはは、大丈夫大丈夫。こんくらいの傷どうってことないよ。」
「でも血が…待ってください、今絆創膏を！」
「あ、いいのいいの！どうせこれから保健室に行くとこだったし。」
「保健室…？具合が悪いんですか、すみませんそんな時に…本当に…！」
糸がほつれまくったランチバッグを抱えながら、彼女はペコペコと頭を下げた。
こちらとしては保健室に行く格好の理由ができたわけだし、寧ろありがたいのだけれど。
「ううん、それよりほら、遅刻でしょ？」
「あ…そうなんです。実は私、今日転校してきたんですけど……えっと、遅刻したら、どうしたらいいんでしたっけ？」
「転校？あれ…2年生だよね？じゃあ、私と同じ学年だよ。」
「な！な、な…何で分かったんですか？2年生って。」
「ほら、上履きの色。うちの学校、学年ごとに色が分かれてるからさ。」
そう言うと、彼女は自分の足元を見下ろしてから大きく頷いた。
“なーるほどぉぉーー。”
そんな、大袈裟に感心する声が外にダダ漏れするくらいにだ。
「転校生なら、遅刻したってお咎めナシなんじゃない？ほら、道間違えちゃいましたとかって言えばさ。」
「な…！何で分かったんですか？それも何か、目印があるんですか…？」
「え、本当に道間違えたの？」
「あ…そうなんです。私、本当に携帯の地図とか分かんなくて…方向音痴、ってやつですかね。」
少し恥ずかしいのか、人見知りなのか。
やや下を見つめて、背中に背負ったリュックの紐を両手で握りながら、彼女は一生懸命に喋っていた。
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もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» これからどんどん、色んなことが起こってあんなことやこんなことが明らかになっていくので、是非楽しみにしていてください笑 (2020年8月18日 14時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 水の犬。さん» ご返信遅くなってしまってすみません…！コメント、こちらにも残してくださってありがとうございます(´；ω；`)亜芽ちゃんの正体、これからどんどん明かしていきます〜！これからもお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年8月18日 14時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
絵菜 - ヴ!!!こ、こわい。でも気になる。ヴぅ (2020年8月13日 22時) (レス) id: bc65156607 (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。亜芽ちゃん想像する限り私の好みっぽい子なんですが…亜芽ちゃんの正体？や、存在が展開にどう影響を与えるか気になります！いつも素敵なお話ありがとうございます。無理せずもちまる。さんのペースで頑張ってください！ (2020年8月8日 22時) (レス) id: 88a373f457 (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 絵菜さん» キュンキュンな方向に向かわせてますが不穏な空気も出してしまいました〜〜！！けどお楽しみに〜！！！ (2020年8月7日 0時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2020年7月15日 22時
