親公認 ページ36
【taiga】
Mステに出演させていただいた翌日の土曜日。
7時にセットしておいた目覚ましで起床した。
「おはよ」
『えっ、大我？』
「なんか、朝飯ある？」
『どうしたの？具合でも悪いの？』
学生生活が終わってからは、朝早い仕事以外はこんな時間には起きないし、今日は久々のオフ。
母ちゃんの発言はごもっともだ。
「出かける前にジングル撮らなきゃならないから」
ここ数日、忙しくて。なんにも考えてないんだよね。
ちょっと前にまた高地とサシ仕事があって。Aとのことを話した。
「別に、焦らなくても良くね？」
「そうかなあ」
「Aさん、流石にもう黙って消えたりしないだろうし」
逆に押しすぎたら困惑しちゃいそうだし。
「それって、俺が芸能人だから？」
「あると思うよ」
「だよね」
Aも気にしてるだろうけれど、実は俺も気にしてる。1つ年上で4月生まれのAは27歳で、結婚適齢期ってヤツだ。
「俺と付き合ったらさあ、普通の幸せなんか無いじゃん」
告白はしたものの“その先”に言及しなかった理由はこれ。
「うん、だから」
普通じゃなくてもいいやって、お互い思えるまでは、少しくらいは曖昧でもいいんじゃね？って高地は言う。
「経験談かよ」
「・・・引っ張りすぎると、逃げられるけどな」
「今度、チハルちゃんの意見も聴きたい」
『・・・大我、聴いてる？』
「へっ！？」
『なに、ボーッとしてるの』
「ごめん、で、なに？」
『だから、どこ行くのって、訊いたの』
一瞬、適当に仲間のところって言おうか迷ったけれど。Aのことを気にかけていたのは、うちの親だって同じだ。
「Aんち」
『あっそう・・・えっ！？』
「知ってるでしょ？都内に住んでるの」
『知ってるけど、、いつの間に』
この後、母親からの質問攻め、そして父親が起きてきて質問攻め。更には父親がAのお父さんに電話しやがったもんだから・・・。
『大我くんなら安心だ、Aを頼むよ！』
おじさんは心配でたまらないようで、時々家に行って様子を見てやってくれって。
「・・・俺、オトコなんだけど」
おじさん、安心しないでよ。“様子を見る”だけで済む訳ないじゃないか。
そんな簡単に他人を信用するから、会社追われちゃったんじゃないの？
まあ、オトコの最大のハードルである“彼女の父親”の攻略が不要なのはありがたいけれど。
結局、ひえおじにジングルを送り、家を出ることができたのは夕方近く。
・・・早起きして、正解だった。
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tamami(プロフ) - MMMさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。 (2020年9月4日 17時) (
レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
MMM(プロフ) - 最高でした。数少ないお気に入りの大好きな作品になりました。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年9月4日 1時) (レス) id: 649dee7d4f (このIDを非表示/違反報告)
tamami(プロフ) - りかちゃまさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます(^^) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
りかちゃま(プロフ) - いつも読ませていただいてます！ありがとうございます (2020年8月7日 18時) (レス) id: 09587eedf4 (このIDを非表示/違反報告)
tamami(プロフ) - ゆめの*123さん» ありがとうございます(^^) (2020年7月29日 19時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tamami | 作成日時：2020年7月22日 16時
