任務完了 ページ23
【taiga】
「きょも、明日時間ある？」
「あるけど」
「じゃあさ、家行っていい？」
外でメシもまだちょっとしにくいしさ、相談したいことがあるんだよねって。
「慎太郎、仕事は？」
コイツ、島とかドラマとか、結構忙しいじゃん？
「グループでのが終われば無いよ」
「じゃあ一緒に送ってもらうか」
そして翌日。
「きょものうち、久しぶり」
「そうだね」
小さい頃は“うちの子か？”ってくらい来てたのにな。
「で、相談？」
「あー、うん、それなんだけど」
どこから話したらいいのかなあ？なんて、頭を抱える慎太郎。
「どうした？」
「きょもってさ・・・」
「ん？」
「Aちゃんに、会いたい？」
父ちゃんに続いて、今度は慎太郎から出てきたこの名前。
いくら忘れようとしても、周りが許してくれないんだな。
「会えるもんならね」
「・・・」
「でも、Aは会いたくないんじゃないかな」
避けられてる気がするし、というか、理由はともかく避けられてるし。
「“見つけた”って言ったら、どうする？」
「・・・え？」
「この前のロケでね、高地が配達した相手がAちゃんだったの」
冗談だろ？と言いかけて、気がつく。
慎太郎はいつもふざけているけれど、こういう時に、しかも俺とAの昔を知っていて冗談を言うようなヤツではない。
「え、じゃあ、あの」
「うん、手渡しOK撮影NGで、高地が持っていった相手」
「マジか・・・」
そうか、そりゃ撮影はNGだよな。むしろSixTONESですって言ったのに、よく手渡しに協力してくれたなって感じ。
「俺も配達先の名前を見た時、あれ？ってなったんだけど、きょもから引っ越したって聴いてたじゃん？」
「・・・うん」
「だから、まさかって思って。高地は逆に名前は知らなかったけど、顔見てわかったって」
「あ・・・」
そうか、高地には写真を見せたんだっけ。
「Aちゃん、東京に居たんだってね」
「うん、俺も最近知ったんだけど」
「そうなんだ、じゃあ看護師さんってのも、知ってる？」
「それも最近・・・親の電話が聴こえちゃってね」
生活面での苦労なんか知らずに育ったAが、ずっと東京でひとり暮らしなんて。しかも、仕事はどう考えたって大変な看護師さん。
絶対辛い思いをしてそうで心が痛かったんだけれど。
「きょもには申し訳ないけど、先に会って来ちゃった」
「え！？」
マジかよ、なんだよ、コイツ。
「はい、プレゼント」
手渡されたのは、7月分のAの勤務表だった。
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tamami(プロフ) - MMMさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。 (2020年9月4日 17時) (
レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
MMM(プロフ) - 最高でした。数少ないお気に入りの大好きな作品になりました。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年9月4日 1時) (レス) id: 649dee7d4f (このIDを非表示/違反報告)
tamami(プロフ) - りかちゃまさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます(^^) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
りかちゃま(プロフ) - いつも読ませていただいてます！ありがとうございます (2020年8月7日 18時) (レス) id: 09587eedf4 (このIDを非表示/違反報告)
tamami(プロフ) - ゆめの*123さん» ありがとうございます(^^) (2020年7月29日 19時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tamami | 作成日時：2020年7月22日 16時
