困惑 ページ19
【you】
まあ、そんな感じで。
大我とは丸5年連絡を取ってないし、おじ様が口を滑らせてなければ、私は北海道に居ることになっているはずだ。
「さて・・・どうしよう」
Uber Eats高地くんから注文した品物を受け取って溜め息をつく。
大我だって5年も経てば忘れているだろうと思っていたのに、高地くんのあの感じだとどうやら忘れられてはいないっぽい。
それにしても、どうして高地くんが私のことを知っていたんだろう。
SixTONESのメンバーで会ったことがあるのは慎太郎だけのはずなんだが。
届いたモノを食べながら、気になってGoogle先生に相談していると。
「きょもゆご?」
いきなり出てきたピンクとイエローのキャンディを被ったあざとい写真。
その後も出てくるエピソードを見る限り、どうやら彼らはかなり仲良しらしい。
“俺は絶対コイツだな”
“えー、私この人がいい”
“うわ、マジそいつは無い”
大我と一緒に見ていたスクール革命のオーディション。大我のヤツ“マジそいつは無い”って言ってた相手が“大親友”なのか。
そうなると・・・大我が話したんだな。
“きょもゆご”侮れないな。
「・・・うん、まあ、いいや」
覚えているというだけで“好き”じゃない可能性が高いし。なんなら憎しみに変わっているかもしれないし。
大我だってデビューしてモテモテだろうし、私なんか見向きもされないさ。
万が一、大我とあーだこーだなるようなら、“高地くんに投票したんだけど!”って言って、大親友になんとかしてもらおう。
「・・・電話だ」
相変わらず毎日のように連絡してくるお父さん。
いい加減アプリを覚えてほしいのに、全く使えないから電話オンリー。
「もひもひ」
ほら、食事中だと、こうなっちゃうじゃん。
『こら、行儀悪いぞ』
「すぐに出ないと文句言うくせに」
『変わりないか?』
変わり、ありますね。
「ある」
『え、ど、どうした!?』
「たいしたこと無いよ、いや、あるな」
『ええっ!』
「さっき、SixTONESが家に来た」
『・・・すとーんず?』
そうか、老夫婦にはピンと来ないか。
「大我のグループの人がね、番組の企画で出前やってて、家に来ちゃったの」
『え?』
「で、大我と知り合いだって、バレた」
『・・・なんだ、そんなことか』
父親の壮大な溜め息が聴こえる。
“そんなこと”じゃないよ、こちらにとっては重大事件なんだよ。
「大我も忙しいだろうし、会うことはないだろうけどね」
この時は、本気でそう思っていた。
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tamami(プロフ) - MMMさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。 (2020年9月4日 17時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
MMM(プロフ) - 最高でした。数少ないお気に入りの大好きな作品になりました。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年9月4日 1時) (レス) id: 649dee7d4f (このIDを非表示/違反報告)
tamami(プロフ) - りかちゃまさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます(^^) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
りかちゃま(プロフ) - いつも読ませていただいてます!ありがとうございます (2020年8月7日 18時) (レス) id: 09587eedf4 (このIDを非表示/違反報告)
tamami(プロフ) - ゆめの*123さん» ありがとうございます(^^) (2020年7月29日 19時) (レス) id: 22fb3c50cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tamami | 作成日時:2020年7月22日 16時