atosaki 7 ページ7
【you】
超絶イケメンだけど服装が真っ黒で、サングラスまで掛けてる超絶怪しいお兄さんにガン見されたと思ったら、いきなり写真を撮られた。
・・・いや、別に良いよ？今日はお祭りみたいなモンだし？他にもオイオイ一生分かよってくらい写真撮られたし？近日中には校内の有名人になっちまいそうな勢いだったし？
でもさあ、こんなんだけど私も乙女なんだよ。折角憧れの剣術小町になりきってるんだから、ベストショットしか撮られたくない訳で。
だから怪しいお兄さんに「一緒に撮ろう」って言っただけなのに。
・・・どうして皆、氷点下になっちゃってるの？
「えーっと、私マズいことでも言いましたかね？」
恐る恐るお兄さんに尋ねた途端、いきなりお兄さんが爆笑した。
「いや、ご、ごめんね。全然マズくない。いや、マズいっちゃマズいし、何だろね、もう、あーっはっはっは」
・・・情緒不安定なのか、この人。
そして、怪しいお兄さんは、笑い過ぎて息も絶え絶えになりながら、私に言った。
「うん、わかった。ちょっと諸事情あって一緒には撮れないんだけど。勝手に撮ってゴメンね。写真撮りたいからポーズ決めて貰っていい？」
「あーはい！わかりました」
3バカは相変わらず氷点下だし、ナミさんも固まっているのが気になる。しかし私は社会福祉士の卵だ！しかも今は剣術小町だ！だからクライアントのニーズにはお応えせねば！と謎理論に基づいて、怪しいお兄さんのスマホに収まった。
「うんOK、ありがとうございました」
笑顔になる怪しいお兄さん。怪しいけれどやっぱりドチャクソイケメンだな。
「あ、そうだ。お嬢さんお名前は？」
「3年のAAです」
「ありがとう。俺は中島健人です」
「中島さんですね。こちらこそお立ち寄りいただいてありがとうございました」
「いえいえ、じゃあ剣道頑張ってね」
ひらひらと手を振って去っていく怪しいお兄さん改め中島さん。
「不思議なお兄さんだったねーって、ねえ、何でさっきから凍りついてんのさ」
カオル「お前・・・ホントTVとか知らねーんだな」
「TV？視ないけど、何で？」
壮大なタメ息をつく3バカとナミさん。
コーイチ「あのな！前にこの学校にSexy Zoneが居るって教えただろ？さっきのがSexy Zoneなの！Sexy Zoneの中島健人！！」
・・・マジか。
正直、アイドルへの興味は皆無で、Sexy Zoneの凄さはわからないんだけれども。
知らぬままTVの国の人と小粋なトークを繰り広げたことだけは把握した。
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作者名：tamami | 作成日時：2020年4月21日 10時
