atosaki 5 ページ5
【you】
2016年4月
私が通う大学には校舎が2つある。1、2年生が通うちょっと田舎の広々とした校舎。上級生が通う高級住宅地にある校舎。
新入生の勧誘なので、もちろん場所は広々校舎。
カオル「そーいえば俺ら校舎移ったのに、なんでここまで来て勧誘してんだろ」
「まあいいじゃん!ねーナミさん♪」
ナミ「ねー♪」
コーイチ「・・・この人たち、ダメだ」
私は髪を高い位置で結び、この日のために仕入れた付け毛に原作のイメージ通りの大きなリボン。もちろん衣装は剣道着で剣術小町になりきる。
ナミさんは元々長いストレートヘアなので、おばあさまからそれっぽい衣装を借りてきて、メイクをしただけで女医さん風に見える。
3バカもなんだかんだで張り切っていて、1番小柄なシンヤの頬にはアイラインで描いた十字の傷があるし、コーイチのヘアスタイルはいつもよりツンツンだし、普段おちゃらけているカオルは隠密っぽくポーカーフェイスを貫いている。
そんなガチのコスプレ集団、プラス、先輩お任せするのは申し訳ないです・・・と言って、衣装やヘアメイクを手伝ってくれた後輩たちが客引きをしてくれるもんだから、あっという間に剣道部の周りには人だかりができ、マスコミ研究会や写真サークルに至っては、自分のところの勧誘を放棄して取材や写真をお願いしに来るなど、例年では考えられない盛り上がりになった。
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「・・・すげー人数」
興味のある人は連絡先よろ!と置いたノートにびっしりの書き込みを見て呟く。
ナミ「まあ、このうちの何人が部室まで来るか、そして何人が残るかね」
シンヤ「ナミさんが言うと、何かリアル」
カオル「とりあえず楽しかったから、良くね?」
あーだーこーだ言いながらの撤収作業。ありがたいことに客が多かったのと、いろいろな人に写真を頼まれたりして片づけが遅れて。気がついた時には他の団体はほとんど居なくなっていた。
ナミ「・・・あれ、あの人?」
コーイチ「うそ・・・」
「え?どしたの?」
4人が動揺し始めたので同じ方向を見ると、1人の男性がこちらを見ている。新入生にしては大人っぽいし、何よりやたらと美しい人。
「こちら剣道部ですけど、何か御用ですか?」
「「「「!!!!」」」」
4人が窒息する音が聴こえた気がする。
・・・私ナンカヤラカシマシタカ?
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はじめまして。
tamamiと申します。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
やっと!ケンティー(らしきモノ)が出ました。
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作者名:tamami | 作成日時:2020年4月21日 10時