atosaki 46 ページ46
【you】
「こーちさん」
「・・・」
「・・・許してあげる」
「え？」
「好き」
もう1度キスをする。
「・・・いいの？」
「うん」
私はきっと、こーちさんの作戦にずっぽり嵌まってしまったんだ。本当にずるい大人だ。
いつまでだって待っててあげるから、その代わり私を離さないで。
「だから・・・」
「ん？」
「さっきの続き、して？」
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【yugo】
一瞬、何がなんだか解らなかった。
俺の我儘を受け入れてくれたことはもちろん嬉しいし、キスしてくれるのも、ぎゅっとしてくれるのも嬉しい。
だがしかし。聞き捨てならない台詞が聴こえてきたような気がするのだが。この子はいったい自分がどれ程の爆弾を落としたのか理解・・・してる訳ないよね。
「・・・Aちゃん」
「ん？」
「今、なんつった？」
「さっきの続き」
あのね？
体制を変えてAちゃんを組み敷いて。ゆっくりと耳元に顔を近づける。痛くない程度に両手を封じて、抵抗できないようにして。
「男をからかうと痛い目見るよ？」
「からかってないもん」
・・・いっそこのまま抱いちゃおうかとも思ったけれど。
「最後まではシないよ」
「なんで？」
がっつり手は出してんだから変わらないじゃんって思われるかもしれないけれど。
「するのは・・・俺がちゃんとしてからね」
男と違って。女の子にとっての「ハジメテ」って一大イベントなんじゃないかと勝手に思っていて。
だったら、逃げ道は作っておいてあげたいじゃん？
「別にいいのに」
こら、煽るな。
「最後まではシないけどさ」
「？」
「もうちょっと楽しませて」
前回は直に触れたらいろいろヤバいと考えて、脱がせるどころかTシャツの中に手すら入れなかったんだけれど。Aちゃんが俺から逃げないと解った今なら大丈夫な気がして。
ゆっくりと柔らかい身体に触れていく。
「感じてんの？」
「やぁ・・・」
経験無いくせにえっちな身体しちゃって。
「・・・っつ」
「ん、付いた」
「・・・何これ？」
「男避け」
・・・下世話な言い方をすれば。結局のところ女の子の大事な部分を死守しただけで。それ以外はかなり楽しませて貰っちゃったから、最後はもうぐったりしてて。
「ん・・・頑張ったね」
眠ってしまったAちゃん。
お互いが納得していてどんな正義があったとしても、俺のしていることは傍から見れば中途半端で。
「置いて行かれないようにしないとな」
先が見えなくても、目の前のことをやるしかないんだ。
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作者名：tamami | 作成日時：2020年4月21日 10時
