悪魔 ９ ページ10
「今日は俺のライヴにようこそー！！！
エヴィバディセイヘイ！！！」
国家会議室並みの広さをもつ会場で、そんな馬鹿でかい声がけたたましく響いた
この場にいる受験者からのノリの良いリピートを期待していたようだが、それも虚しく静寂のみが返される
「こいつあシヴィー！！！ 受験生のリスナー！
実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ！！ アーユーレディ！？」
「YEAHH！！！」
……リベンジを試みたようだが、当の受験生らは無言を貫き、やはり1人虚しく教壇に立つその人の声のみが響く結果となった
うるせえ
生まれ持った才能の方の個性という意味に限らず、単に人間としての個性が強い、そのうえ雄英の教師なのであろうあの人は一体何がしたいんだろうか
いやまじでうるせぇな
「入試要項通り！」
諦めたな…こいつ
「リスナーにはこの後！
10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ！！」
「持ち込みは自由！
プレゼン後は各自、指定の演習会場へ向かってくれよな！！」
そんな説明と共に、そいつの背後にある馬鹿でかいスクリーンから映像が映し出される。
──シーン！！
「O.K.！？」
諦めていなかったらしい
迫真の問い掛けだ
いい加減返事がないことにキレたのか、或いは自分でも虚しく思えてきたのか
幼子が拗ねたような投げやりじみた声にはついつい鼻で笑ってしまう
不可抗力だな
「演習場には"仮装敵ヴィラン"を、三種・多数配置してあり、それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントを設けてある！」
「各々なりの"個性"で"仮装敵ヴィラン"を行動不能にし、ポイントを稼ぐのが、君達リスナーの目的だ！！」
『個性によっては不利にならないか…これ』
つらつらと滞りなく続けられる説明に、眠気を堪えながら追いつくのがやっとだった
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作者名：もっちりパンダ | 作成日時：2024年3月18日 9時
