悪魔で、ヒーロー (ページ20)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:431 hit

悪魔　19 ページ20

この世界での2度目の春
そして、遥々雄英に入学することになるのであろう初日
クラス表を見てから、自分のクラスに移動した

『Ａ組か……』

教室が近づくに連れ中から声が聞こえる

「机に足をかけるな！
雄英の先輩方や、机の製作者方に、申し訳ないと思わないか！？」

「思わねーよてめーどこ中だよ端役が！」

………うるせぇ…。

どうやら先に来ていた生徒が言い争いをしていた

「俺は私立聡明中学校出身、飯田天哉だ」

「聡明？糞エリートじゃねぇか！ぶっ殺し甲斐がありそうだな！」

飯「ぶっ殺し甲斐！？君、ひどいな。本当にヒーロー志望か！」

すると、扉のところで見ていた僕に気づいた

飯「やぁ、ぼ、俺は聡明中出身、飯田天哉だ。よろしく」

『よろしくお願いしますね。私は、ルシファー・ネフィリアムと申します。』

僕と飯田君は握手する

すると、爆発くんが僕のことめっちゃ睨んでいた

爆豪「てめぇが主席か」

『そうですよ。よろしくお願いしますね。ルシファー・ネフィリアムです。』

僕は手を差し出すが、爆豪に弾かれる

爆「はっ！仲良しごっこで通ってんじゃねぇんだ！俺が言いてぇことは一つだ！てめぇをその座から引きずり落として、俺がトップに立つ！それだけだ、雑魚が」

ハッ
『……雑魚はどちらでしょうか…万が一にも、貴方が私に勝てるはずがありませんよ』

爆「あぁ！？上等だボケ！！そのスカした面ぶっ潰してやるわ！！」

爆豪はそういうと自分の席にふんっと座った

「あ！そのモサモサ頭は！！地味めの！！」

ふと、女の甲高い声が耳に入り、何と無しに声のした方へと意識を向ければ、そこには意外な野郎がいた

見慣れない緑色のモサモサ頭に、頬に添えられたそばかすが印象的なあいつ

でかい入り口の前で挙動不審に立つそいつは、確かに一年前に見たあのガキだった

忘れる筈のない容姿に、しかしどうしてだろうか、違和感を覚える

以前とは打って変わって、何かが根本的に違っている───そんな気がしてならないのだ

引き締まった身体に、伸びた身長はもちろんのこと、それ以上に俺が気になったのは、そいつから漂う魂が違う
何かおかしい

初対面の頃にはなかった感じだな───だからといって、知らないというわけでもなく、なんとなくそれもどこかで感じた覚えがあった
その記憶が余計に混乱させる

…嗚呼駄目だ

『少し、気にしときますか…』

そんな時、悪魔の俺としては珍しく、人間に対して心のなかで興奮を覚えた…