悪魔で、ヒーロー (ページ18)

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悪魔　17 ページ18

「今日はよく来てくれたね。
ささっ、そこのソファーに腰掛けておくれ。」

やはり世界は何があってもおかしくはないのか

種の判別同様名状し難いサイズは、どちらかと言えばマスコットのようで、礼儀正しい口振りは、それらを不自然に思わせる

いや動物が人間の言葉を発している時点で不自然云々の話じゃ収まり切らないのだが

とりあえず案内した男が謎の小動物の隣である奥のソファーへと腰掛けたが為に、僕も流れで手前側のソファーに座り対面する

「君と実際に会うのはこれが初めてだね。
先程も少しだけ自己紹介したが、改めて。僕はこの雄英の校長を勤めている、根津さ！以後、よろしく頼むよ。」

「先程イレイザーにも確認されたと思うが………ルシファー・ネフィリアムくん。君で間違いないね？」

僕が腰掛けたと同時に、見掛けに寄らず人当たりの良い笑みを浮かべながら社交的に自己紹介を済ませていく様子は、宛ら見世物目めいていて目を見張るものがあった。
しかもこいつ校長かよ、凄まじいな

故に内容はあまり頭に入ってこないが、2度目の本人確認に肯定を示すと、一瞬その小動物の貼り付けた笑顔が絶えたような気がした

「それじゃあ唐突で悪いが、単刀直入に言わせてもらう。まず、君の受けた雄英の入学試験。
……おめでとう。見事合格さ！」

へぇ…

感情の起伏が全く無いのも考えものだ
己が想定していた以上に高揚感は芽生えなかった
なんだか少し口惜しい

「そこでだ。
入学出来ることはもう決定しているが、その前に。雄英我々からも、いくつか君に確認したいことがあってね。
まず1つ目は、君の入試の結果に基づいた事だ。」

「実技総合成績によると、君の成績は敵ヴィランPポイント数80、レスキューPポイント数40の、合計120Pポイント。
これまた見事、1位にランクインさ！」

「……しかし、筆記の方は破滅的。指名欄以外を空白のまま提出した事は君も身に覚えがある筈だ。
それにより、ほぼ実技のみで勝負に出て、勝ち取ったようなもの…───。」

「そこで気になるのが、君の"個性"だ。」

…そのたった一語で空気が凍った