悪魔 14 ページ15
noside
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「この入試は敵ヴィランの総数も配置も伝えていない。」
「限られた時間と広大な敷地…そこから、あぶり出されるのさ。」
受験者挑戦者達が続々と与えられた試練に挑んでいる一方──
とある一室では、ヒーロー及び雄英の教師らが、品定めの如く画面越しに受験者たちを観戦していた
「情報をいち早く把握する為の、"情報力"。
遅れて登場じゃ話にならない、"機動力"。
どんな状況でも冷静でいられるか、"判断力"。」
「そして純然たる、"戦闘力"……」
「市井の平和を守る為の基礎能力が、Pポイント数という形でね。」
そんな中、話題は1人の少年へとあげられる。
「今年はなかなか豊作じゃない？ ほら、特に見てこの子。」
そう言い他の教師の注目を集めようと指した女教師の指先に映るのは、たった1人私服で来ていた事からも、何かと悪い意味で目立っていた少年
「何かと序盤から目立ってたこの子……さっきも言った通り、確かに今年は全体的に豊作だわ。けど、この生徒だけズバ抜けてヒーローとしての能力に長けていると思わない？」
「あ、そいつのことなら俺も気になってたよ。」
次々と共感があがっていく中、雄英の校長である根津は、彼の行動を注視しながら事細かく評価していく
「確かに。彼は開始地点からの出だしが他と比べて最も速かったし、ヒーローとしての基礎能力を全て兼ね揃えている。」
「それに意図して人の少ない且つ仮装敵ヴィランが徘徊している場所のみを狙い、Pポイントを稼いでるね。他のヒーローの手が届いていない場所をいち早く把握し、そこへと積極的に足を運ぶ───今回の入試に必要な戦法かどうかはさておき、これは実際に被害があった時かなり役立つ立ち回り方だ。」
「他にも、街への被害が最小限に収まるよう、最大限に考慮している。身を隠してからの瞬殺も然る事乍ら、あえて人目のつかない場所や、建築物の少ない広場に敵を誘き寄せる立ち回りは、僕的にも高評価さ！」
根津はそう締め括り、前脚を可愛らしく万歳させる
「なにより、この圧倒的威力。オールマイト並だな……」
目配せする根津のその目に、難しい顔をしたオールマイトが映った
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作者名：もっちりパンダ | 作成日時：2024年3月18日 9時
