▼STORY:3 ページ10
.
___ピピッ、ピピッ、
「……あちゃ〜…」
朝、ベットに横になりながら体温計を見つめる花宮。
体温計には"37.8℃"と表示されている。
「びみょ〜……」
学校どうしようと考えるが、"移すと悪い"という結論に至り、ふわふわとする思考の中スマホを手繰り寄せる。
「もしもし、真希ちゃん
ごめん、風邪引いちゃったみたいだから学校休む……先生に、」
"先生に言っといて"と、言い終わる前に力が抜けてスマホを床に落としてしまう。
花宮は落としたスマホを拾おうとするが、どうにも動く気になれず、そのまま意識を手放した。
.
.
.
「い、いくら……!?」
寝起きの、まだぼーっとしている頭で今起こったことを理解しようとする狗巻。
そう、花宮が電話を掛けた相手は"マキ"は"マキ"でも"狗巻"の方だった。
つまり、花宮は禪院と間違えて狗巻に電話を掛けてしまっていた。
朝から突如掛かってきた好意を寄せる花宮からの電話。
花宮が"風邪を引いたから休む"と言った途端に、ガタッという音がした。
狗巻は、花宮が倒れてしまったのではないかと顔を青くさせる。
そして気付けば自分の部屋を飛び出し、花宮の部屋へ向かっていた。
.
.
「たっ、高菜!!」
コンコン、と花宮の部屋をノックする狗巻。
花宮からの返事はない。
狗巻はその事実により一層嫌な予感を募らせ、鍵がかかっているだろうがダメ元でドアノブを捻ってみた。
___ガチャ
すると、難なく開いた扉に驚きつつも、花宮が心配で堪らない狗巻はそのまま部屋に押し入る。
「ッ、」
勝手に入ることに罪悪感を感じながらも、花宮の居場所を探す。
すると、ベットに横になる花宮を視界に捉えた。
「こっ……こんぶ…………」
倒れていなくてよかった、と一安心する狗巻。
床にスマホが落ちているのに気が付き、先程の音の正体はこれか、と納得した。
狗巻は花宮のスマホを拾い、近くのテーブルの上に置いて花宮の傍に寄る。
熱があるのか、少し苦しそうに眠る花宮を見て狗巻も心苦しくなり、額に張り付いた前髪をのけてあげようと顔に手を近付けた途端、聞きなれた声が聞こえた。
3704人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時