. ページ31
.
思ってもなかったイベント発生。
こうして恵くんと並んで帰れるのなら、もっと可愛い服を着とけば良かったし、もっとオシャレな傘を買えばよかった……
後悔先に立たず。
1人で悶々としていると、恵くんから話し掛けてきてくれた。
「今日は釘崎は一緒じゃないんだな」
「うん、野薔薇ちゃん今日は外に出る気分じゃないんだって。」
「……色々振り回されてそうで大変だな」
「え!逆逆!私が野薔薇ちゃん振り回しちゃってるんだよ。
いつも野薔薇ちゃんには大変お世話になってます……」
何気ない会話をポツポツと繰り広げながら高専を目指して歩く。
こうしてみると、結構最近まで挨拶もろくに出来なかったのが嘘みたいだ。
今は自然と話せていて、なんだか自分の成長を感じる。
……と言っても、表には出てないだけで内心は心臓飛び出るんじゃないかというくらいには緊張している。
「あ、あそこの……」
信号待ちをしている時、信号を渡った先にある、シャッターの閉まった店の軒下で雨宿りをしている老夫婦が見えた。
私みたいに買い物帰りに雨に降られてしまって困っているのだろう。
おじいさんもおばあさんも、どうしようかといった表情で空を見つめていた。
「……恵くん、ごめん。私、ちょっと」
信号が変わって、私は恵くんに一言声を掛けて老夫婦の元へ駆け寄る。
「あの、これよかったら」
先程買った、そんなにいい物でもない傘をおばあさんに差し出す。
「まあ。でも、お嬢さんが濡れてしまうよ」
申し訳なさそうに眉を下げるおばあさん。
"私は大丈夫です"と口を開こうとした時、後ろから別の声が発せられた。
「コイツは大丈夫です。俺が入れて帰るんで」
「おや。お連れさんかい?」
「あ、はい!同じ学校に通ってるので。
それに、この傘さっきそこで適当に買ったやつなので気にせず貰ってください。
学校までもうそんなに遠くないですし、私のことはお気になさらず…!」
1204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肉じゃが - なぜだ…恵推しじゃないのにこの小説が神様に見えてきた… (8月15日 18時) (レス) @page34 id: 42198287f0 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - アイラブメグミイイイイイイイイイイイイイイイイイ 投稿頑張ってください!応援してます!この作品めっちゃ好きなので!ニヤニヤが本気で止まらないです!!!いいなぁ夢主ちゃん。私も恵君に可愛いって言われたいよーーーー😭 (2022年8月30日 17時) (レス) @page23 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - あぁぁぁぁぁぁ!恵君かっこいい!私の顔今真っ赤です!今後も頑張ってください! (2022年1月8日 15時) (レス) @page34 id: 634c848308 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - やばいニヤけが止まらない、、!w (2021年7月9日 16時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - もち明太さん» ありがとうございます〜!!よろしくお願いしますっ! (2021年2月17日 19時) (レス) id: ed116a4644 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月16日 17時