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「そっか、何かあったのかと思って心配してたけど……よかった」
二人の安否がわかって、ほっと一安心した。
「あのね、私たちの方はもう祓い終わったんだけど、そっちはどう?」
『俺らの方も片付いた。外で合流するか』
「うん、私たち今出口の近くだから、先に出て待ってるね」
『わかった』
"じゃあね"と一言添えて通話を切る。
そしてそのままへにゃへにゃと床にしゃがみ込んだ。
「も〜〜無理〜〜!!耳溶ける〜〜!!」
「A、だいじょぶ?」
「だいじょばない……私耳ついてる?」
「ついてるついてる」
「はぁあ〜…………もう、すき…………」
恵くんとの電話の余韻を噛み締めている。
…………ん?
私今なんて言った……?
「A?」
悠仁に名前を呼ばれると同時にバッと自分の口元を手で抑える。
「え、なになに!?どしたの!?」
「や、あの、私がさっき言ったことは………」
「え?Aが伏黒のこと好きってやつ?」
なんの悪びれもなく言う悠仁。
事実を改めて口に出されると恥ずかしくてじわじわと頬に熱を帯びる。
「わ、わすれて……」
「忘れるも何も……もともと知ってたし…?」
「えぇ!?なんで!?」
「だってA、わかりやすいから」
ズバッと言い切られて、思わず"うっ"と声が出る。
嘘でしょ……
「知ってるの野薔薇ちゃんと真希先輩だけだと思ってた……」
「ははっ、みんな結構知ってんよ?」
「うっそ〜……」
さっきまでの幸せな気持ちはどこへ行ったのか、ちょっとブルーになりながらやっと出口へ向かおうとすると、後ろから声を掛けられる。
「Aー」
「……野薔薇ちゃぁん!」
ギュッと勢いよく野薔薇ちゃんに抱きつく。
「うえぇええん野薔薇ちゃん……」
「ちょ、何よ!」
「悠仁に虐められた……」
「はぁ!?俺!?」
"アンタ何やったのよ"と呆れる野薔薇ちゃん。
"無実無実!!"と騒ぐ悠仁。
ワイワイと廃校の中でうるさくする私たちに、恵くんは小さくため息をついて"早く出るぞ"と諭した。
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肉じゃが - なぜだ…恵推しじゃないのにこの小説が神様に見えてきた… (8月15日 18時) (レス) @page34 id: 42198287f0 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - アイラブメグミイイイイイイイイイイイイイイイイイ 投稿頑張ってください!応援してます!この作品めっちゃ好きなので!ニヤニヤが本気で止まらないです!!!いいなぁ夢主ちゃん。私も恵君に可愛いって言われたいよーーーー😭 (2022年8月30日 17時) (レス) @page23 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - あぁぁぁぁぁぁ!恵君かっこいい!私の顔今真っ赤です!今後も頑張ってください! (2022年1月8日 15時) (レス) @page34 id: 634c848308 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - やばいニヤけが止まらない、、!w (2021年7月9日 16時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - もち明太さん» ありがとうございます〜!!よろしくお願いしますっ! (2021年2月17日 19時) (レス) id: ed116a4644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月16日 17時