あおいろ4

鬼が出るか仏が出るか4 ページ31

光side

待っていなくても、俺には明日は簡単にやって来る。

そのまま全員が病室に残って朝を迎えた。

宏太と雄也が再度説明を受けるために病室を離れた。

予定された時刻に向けてカチカチと進む時計の針…

こっちみて面白がってんじゃねぇぞ…

光「大ちゃん」

大貴「……ん」

しきりに時計を気にする大ちゃんからは、俺と同じ不安が滲み出ている。

スヤスヤと綺麗な顔で眠る慧は、お世辞にも健康には見えないが、穏やかだ。

放っておけば消えてしまう命…

救おうとして、消えてしまうかもしれない命…

なんて儚いんだろうか。

大貴「……ひか…………」

光「…ん」

大丈夫。もう泣かない。

潤んだ瞳で唇を噛む大ちゃん…本当に頼もしい弟だよ、大ちゃんは。

静かな病室にコツコツと聞こえる足音…

あぁ、もうそんな時間か…

ドアを開けて宏太と雄也が戻ってくる…その後ろからは亀梨先生。

物音にそれまでスヤスヤと寝ていた慧の目が開いた。

「慧、わかるか？？今から動くよー。頑張ろうな」

慧は先生の声に、小さく…それでもしっかりと頷いた。

大貴「慧……頑張って……」

もしかしたら………

雄也「……頑張ってな…」

もしかしたら…これが…

宏太「きっと大丈夫だよ…慧…」

最期になるかもしれないんだ…………

光「負けんなよ。待ってるから…」

………精一杯の強がりだ。

慧「…大丈夫………いって…きます…」

手術室に移動する途中に代わる代わるにその手をしっかりと握ってやれば、ニコリと笑う。


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そして長い手術が始まった。

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