あおいろ4

ノスタルジア4 ページ23

光side

零れ出たのは本音のくせに、すぐに誤魔化そうとする。

そんなこと言っても手の力は緩めてやらねぇし。

帰りたい…と願う慧にとっては我が家が凄く遠いものになってしまったんだな…

その様子は郷愁に駆られてるかのようで…

随分小さくなった兄が可哀想で……

同情なんかじゃない……ただ、慧が幸せになる権利はあるはずだよ…こんなに頑張っているんだもん。

でも、俺はこの状況を変える力なんて持っていない。

慧「………光？」

何も言わない俺に不安げな目を向ける慧。

光「……ねぇ…俺は慧が思ってるよりも強いからさ……大丈夫だよ……俺にまで気を使って…慧はいつ休んでるのさ………」

慧「なになに、かっこいいじゃん光」

想いは軽くあしらわれた…笑

俺の捻った言葉をヘラッとかわして、笑ったから頭を小突いてやろうかと思った。

でも、その前に慧が再び口を開く。

慧「光……大丈夫…俺も弱くない……でも、きつくなったら、頼らせてね？…今はまだ頑張れるよ………ね？」

光「ん、分かった…」

口ではそんなこといってるけど、繋がれた手はしっかり握られていて、俺の意思だけで離れないのではないことが分かる。

やっぱり、こいつが潰れる前に俺が気がついてやらなきゃいけないなって思った…

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