あおいろ4

刹那6 ページ2

慧side

慧「……ふぅ……んー…」

屋上のベンチに座り、少し乱れた息を整える。

伸びをして空を見上げれば、キラキラした星がいくつか目に入る…

都会の空の星はあまり見えない…

そんな中光ってるお前らは勝ち組だな…

人工の光に負けた星の光は、人の目には映らない。

本来、すげぇ頑張ってるのに…

パチンと人間が電気をつければ、その頑張りなんて誰にもすくい上げてもらえないんだよ…

なんだか少し切ない。

星に感情移入する訳じゃないけどね。

ベンチにゴロンと横になって、星を見上げる。

月って近くにあるだけなのに、他の星とは違った存在感がある。

恒星じゃないのに、太陽のおかげでキラキラ光って見える…

月は得だなぁ…

なんてね。

俺も月になりてぇや。

ハァッと自分の吐く息が熱い。

ずっと熱あるから、それすらも普通の感覚になってきている。人間ってずるい生き物だよ…

死んだら星になるとか…

俺はそんなの1ミリも思わないけど………

父さんと母さんが見ていてくれる気がして、夜空の下はなんだか心地が良く、そっと目を閉じる。

夏の夜、冷たい風が吹いてハッとした。

慧「やば……寝そう……」

やばい…とは思っても、人間の欲求には勝てない。

たくさん昼寝したんだけどなぁ……

少しだけ……すぐ起きて戻れば大丈夫……

そう決めて段々重くなる瞼に逆らうことを止めた。

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