あおいろ

夏の匂い1 ページ45

宏太side


大貴のおかげで、慧が前に進んだ数日後に病院に行き、予定を決めた。


宏太「準備できた？」


慧「ん。できたよ」


今日は慧が入院する日。手術の予定は3日後。


体調を万全にするためと、少し検査もするからこの日になった。


雄也「荷物もとーか？」


慧「んーじゃあお願い」


光と大貴は一緒に行くといったが、慧がなだめ、放課後に来るねとしぶしぶ学校に登校していった。


宏太「じゃ、車出すよ」


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慧「え、個室？？」


案内された病室について、きょとんとする慧。


慧「俺、大部屋でいいのに…」


確かに個室の方が高いけど…慧の事を考えると全然苦ではなかった。


宏太「でも、こっちの方が気が楽だろ？」


慧「…………ありがと。なーんか元気なのに入院すんの変な感じだな。めっちゃ暇になりそう」


慧はうーっと伸びをする。


亀梨「昼寝しすぎて、夜ねれないとかなしだぞ？」


開けたままの扉をコンコンと叩いて亀梨先生が入ってくる。


慧「あ、先生ー。おひさ」


宏太「こら、フランクすぎんだよ」


亀梨「ははっ大丈夫ですよ。では、改めて少し説明させていただきますね？」


亀梨先生の話によると、今日の午後に検査をしてから数値を見て手術の日を確定させる。

傷口は5センチほどで済むし、あんまり目立たなくなるみたい。術後の痛みもほとんどないって。

注意点としては、手術の際に肺を傷つけてしまったり、感染症を起こす可能性がなくはないらしいけどその確率もすごく低いらしく、順調に行けば手術から1週間くらいで退院できるらしい…


亀梨「まぁ、こんな感じだね。手術を担当する先生は櫻井先生だよ。覚えてるだろ？」


慧「うん、翔先生なら安心」


亀梨「じゃあ、検査は2時過ぎから。飯は食って大丈夫だよ。また来るね」


慧「ん、ばいばーい」


慧の亀梨先生に対するフレンドリーな態度に突っ込みを入れたらきりがなさそうだから辞めた。


ふと時計をみると…


宏太「………あ！雄也！俺らも仕事！！」


午後からは俺も雄也も仕事があった。


平気な顔はしているものの、きっと不安であろう慧を残すのは心苦しいけど


慧「ほら、早く行った行った」


宏太「わかったわかった。じゃあちゃんと飯食って、検査頑張れよ」


慧「わかってるよ」


邪魔者を払うようにシッシとされて、大人しく病室を出た。

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