単純な優しさ3 ページ43
慧side
光が部屋から出て行き、ぼんやりとしていた。
たくさん喋って疲れたな……,
でも、体調は悪くないし…
明日あたり学校いけるかな…
ふわふわ考え事をしているうちに、本格的に眠くなってきたんだけど…
ガチャッ!
大貴「慧!!」
ノックもなしに勢いよく入ってきた大ちゃんによって、眠気はどっかに行ってしまった。
慧「びっくりしたなぁ…心臓に悪いよ…」
笑いながら言うと、慧が言ったら冗談に聞こえないから!ってパフッと優しく叩かれる。
慧「ごめんごめん。で?どうかしたの?」
大貴「あ、そうそう!手術の事聞いたんだけどさ」
慧「え、あぁ」
一瞬ドキリとしたけど、まだ何を言われてるわけでもないし…自分を落ち着ける…
大貴「慧はさ、俺らのこと好き?」
慧「……ほぇ?…好き…だけど?」
よしよし。と頷く大ちゃん。
大貴「俺らもね、慧のこと好き!」
慧「なっ!!大ちゃん熱あんの?」
急にそんなこと言われて恥ずかしくなった。
そんな気持ちをごまかすように、大ちゃんをおちょくってみたけど
大貴「熱なんてねぇわ!」
そうあっさり返された。
大貴「俺はね、慧のこと大好きだからね。だから、慧が少しでも楽になるなら…少しでも生活しやすくなるなら手術受けて欲しいんだ」
慧「大ちゃん………」
……大ちゃんの気持ちはよくわかる……でも………
大貴「慧は何が怖いよ?考えてみて….」
……何が?
そんな具体的になんて急に言葉にできない…
昔の術後のイメージが最悪なんだ…
あの時両親は仕事が忙しかったし、兄弟は学校があった上に、長男の宏太でさえ小学生だった。
ICUに一人。痛みに耐えていた。
言葉を発さない俺に大ちゃんが言う。
大貴「ねぇ慧?大丈夫だよ。きっと怖くないよ?だって今は俺がいるし!!慧は怖がりだよなぁ…だから俺が一緒にいてやるよ!!ね??」
ニコニコと笑う大ちゃん。
無責任な奴………
単純な奴………
そりゃそうか。校庭で温泉掘り起こそうとしちゃうくらいだもんな……
慧「ふふふっ」
大貴「え!なんで笑ってんのさ!!」
慧「いや……温泉……ふふふ」
思い出し笑いってやつ。
大貴「えぇぇ!何で知ってるの!恥ずかしい!」
あぁ、大ちゃんが弟でよかったよ…
あんなに嫌だと思っていた手術。
大ちゃんと話してからは不思議とそんなに怖くなくなってた。
慧「大ちゃん、宏太と光呼んでもらえる?」
パァっと明るくなった顔。
大ちゃんの前世は魔法使いか何かかな。
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いの猫(プロフ) - 伊野ちゃん、大変そうで、更新めっちゃ楽しみにいつもわくわくしてマス!更新頑張ってください (2016年6月18日 23時) (レス) id: 7e83c674db (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - いのたか愛ingさん» コメントありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。優しいお言葉励みになります!移行完了しましたので、そちらの方もよろしくお願いします!! (2016年6月14日 17時) (レス) id: c53fae0730 (このIDを非表示/違反報告)
いのたか愛ing(プロフ) - コメント失礼します!とても面白いです!テスト大変だと思いますが、頑張ってください!応援しています! (2016年6月14日 16時) (レス) id: 8688c8bf10 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 蒼桜妃さん» コメントありがとうございます!!更新頑張りますんで、これからもよろしくお願いします! (2016年6月14日 16時) (レス) id: c53fae0730 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - あかりさん» そうですね!意外と近くて親近感わきました笑 (2016年6月14日 16時) (レス) id: c53fae0730 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぶき | 作成日時:2016年6月4日 23時