あおいろ

夕食の時間3 ページ14

宏太side


5人で囲む食卓。


大貴が今日はシュート決めまくったんだってニコニコと報告したり、雄也の仕事の話を聞いたり。



慧「光、米おかわりー」



光「はいよ」



慧はよく食べてくれるから、そこは心配しなくていい。ありがたい。



宏太「そーいや、病院どーだったの？」




慧「ほぇ？別にいつも通りだよ？」



ありがとーと光から茶碗を受け取って、またもぐもぐしだす。




宏太「なら良かった」




慧「あー…うん」



少し口ごもる慧に違和感を覚えなくはなかったけど、せっかくみんなでご飯を食べているから、この話は終わりにしよう。



「ごちそーさまでした」




光「食器つけといてね」



宏太「あ、俺洗うよ」



光「本当？じゃあお願い。俺風呂入ってくるわー」



大貴「俺も入るー！」



光「はぁ！？またかよ！高校生にもなって一緒に入るとかブラコンか！」



大貴「いーじゃん！いーじゃん！」



わいわい風呂場に向かう高校生組を見送りシンクの前に立つ。



慧「俺も手伝う？」



ひょこっとこちらを覗いて、慧が言う。



宏太「慧はとりあえず薬飲め」



慧「………へぇーい」



グラスに水を注いでやり、慧に渡すと、ブスッとしながら薬を飲みこんだ。




慧「ん、飲んだ」



グラスを返して、こちらを見つめてくる。



まったく…



宏太「慧、これ拭いてしまって？」



慧「あいよー」



面倒くさいことは嫌いなくせに、特別扱いされるのが嫌で家事をやりたがる。




まぁ、俺もみんなも出来るだけ普通の人と同じように接するようにしてるけどね。

不穏な朝1→←夕食の時間2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す