あおいろ

保健室と丸ちゃん2 ページ10

慧side



俺の場合は、ペースメーカーを入れたところで走れるわけでもないし、食事制限がなくなるわけでもないんだ……


それにいくら保険が効いても、入院費も含めたら結構な金額だ。



働き手が2人で、5人の男の生活費はギリギリ。



別に手術をしなくても、すぐに死ぬわけでもないし、家計の負担になるくらいならやらなくていいと思ってる。


まぁ、宏太に言ったら気にするなっておこるかもね。



黙ったままカチカチと時計の音だけが響く。



どのくらいたったかな。チャイムの音で6限の終わりに気がつく。



中丸「…いきなり悪かったよ。でも、よく考えてみろよ？」



慧「……うん」



中丸「ほら、お迎え」



顎でドアを指す丸ちゃん。



光「……慧、大丈夫？」



慧「ん？なにが？」



光「……んぃや、何でもねーや。戻ろう？」



慧「じゃ、丸ちゃんまたね」



保健室を後にして、教室に向かう。



慧「光、ちょ、まって」



階段を上ぼっただけで呼吸が乱れる。



心臓がバクバクしてるのがわかる。



何も言わないで背中をさすりながら待ってくれる光にもう大丈夫と言い、教室に向かった。

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