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自虐家のアリー 1 ページ6

いずれにしても立ち去らなければならない。

私の心は傷付きすぎた。

こもった部屋の中では、荒んだ心が悲鳴をあげた。

開かないカーテン。

割れたカップ。

流し台の腐乱したキャベツ。

その全てが私の全てだった。


愛と呼べば全てを許した、
母の仕打ちも割れた爪も
全て、あの人が悪いわけではないのだと
私はそう思い込んで。

酷く痩せた膝を抱いて

責めるのはいつも自分のことばかりだ。




「お前なんかどこか消えちまえ」

そう言われたとき始めて気付いた。

行きたい場所なんてどこにもない。

「此処にいさせて」

と泣き喚いた。

「窓から小さく海が見えるから、父さんとこの部屋に決めたの」

そう昔に嬉しそうに話していた母は今夜もまだ帰らない。


窓から見える海を見た。

あの海と1つになれたら

そう思ったら、少しだけ笑えた。

それが、なんなのかはまだわからない。

自虐家のアリー 2→←夏を待っていました 3


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作品ジャンル:ギャグ
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作者名:刹鬼 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2014年10月19日 17時

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