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夏を待っていました 2 ページ4
クラ「なぁ、スコール」
スコ「？」
クラ「『ここに居たくない』っていうのと、『どこかに行きたい』っていうのは、同じ意味なのか？」
スコ「…さぁな」
クラ「…なんでもない。なんにしろ、歩くしかないのなら、歩こうか」
体育と部活が何よりも苦手だったフリオニールは、とうとう膝を抱えてこう呟いたのを、アンタは覚えているか？
フリ「俺はいつも皆に置いてきぼりで。本当に…ダメなやつで、ゴメン」
俺達は、なんだか笑ってしまって。
そんな俺達につられて、フリオニールも涙目で笑ったんだ。
背の高い夏草のなかでかくれんぼをした。
鬼は、俺達に刻々と迫り来る時間の流れで。
「もういいかい」
って言ってくる世界に向かって
「まだだよ」
って叫んだ。それは俺も、アンタもで。
俺はまだ鬼に見つからないままで。
あの時と同じように膝を抱え込んで。
自分の部屋から、微かに見える青い空を見上げて。
ただ、いつか来るはずの夏を待っていたんだ。
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