#37 目回りクエスチョン ページ37
しゃくれたパンダ、しゃくれたシャチ、しゃくれたカンガルー…しかも2匹。
…何で？どうしてここの動物たち、みんなしゃくれているんだろう。
「ねね、君さ大丈夫だった？廉に無理やり連れてこられちゃったんでしょ」
目の前の背中はくるりと返って、人懐っこいその目が私を見た。
さっき教室で話しかけられたときもうっすら、思ったけど。
なんかこの人、お日さまみたい。お日さまというか…陽だまり？
…ううん、もっとあの明るさとあたたかさをギュッと凝縮して、一思いに咲かせたような……あ。
分かった。この人、向日葵だ。
「いや、そんな。…帰り道でたまたま会って、そこから色々あって」
それを聞いた彼は、途端に腕を組んで独特な笑顔を浮かべ始める。
相変わらずの向日葵な目は、私からジロリと永瀬くんの方へ。
「たまたまかぁ。たまたまねぇ〜」
「…海人。お前ほんま黙っとけよ」
「え〜、じゃあ今度ドーナツ奢って」
「はぁー？……1個やで？」
…何が何やら。よく分からないけど、永瀬くんはまたツンとしたご様子だ。
お茶を奢ってくれた時の“友達やもん”は、彼には適用しないらしい。
…に、しても。
部屋をぐるりと見渡せば、男の子3人…としゃくれた動物たちに囲まれる、私1人。
もしかして、なんか大変なことをしちゃったんじゃないか…って、今更気づく。
「ねぇ、あと廉の口の悪さにビビったりしてない？」
「もーそんな悪くないやろ！何なんいつも」
「おーこわ」
今度は、柔らかく掠れた声。彼はきっと、単に永瀬くんを揶揄うつもりでそう聞いたんだろう。
それにまんまと乗っちゃう永瀬くんも、なんか…カワイイかも、とか思っちゃったりしないわけでもない。
「大丈夫、です。ぜんぜん」
「ねえねえそれで？色々あって、って何？」
「えと…その」
「てゆかいつから知り合いだったの？そこ」
2人から次々と質問が投げつけられてきて、目が回る。
今までに他人に何か質問されてきたことと言えば、電車の乗り換えや駅までの道くらいしかなかったのに。
いきなりの“私に関する”事への質問攻め。ある意味で興味を持たれている、という事実に軽く動悸もするくらい。
「おい、そんな色々聞いたらAちゃんびっくりしてまうやろ。とりあえずおれの話聞いて」
…あ。よかった。
彼は今度こそ、さっき言った通り目が回った私に助け舟を出してくれたらしい。
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もちこ(プロフ) - yimmさん» はじめまして！コメントありがとうございます。お楽しみ頂いているようで何よりです…！ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月25日 17時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - もちこさん、はじめまして☆お話楽しく読ませていただいてます。この後の展開を妄想するとなんかだかドキドキ(笑)更新頑張ってください。 (2020年10月25日 7時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - しおりさん» コメントありがとうございます。主人公可愛く書けててよかったです…！これからも是非色んな想像をしながらお楽しみいただけると嬉しいです、よろしくお願いします！！ (2020年10月23日 17時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 欲しいスタンプ俺が買ったるって何語ですか…？永瀬さんの妹になって買って貰いたい！それからなんですか！主人公ちゃんの可愛さ！！永瀬の妹って立場利用して主人公ちゃんと付き合いたい！ (2020年10月22日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです。ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月20日 22時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちこ | 作成日時：2020年10月13日 19時
