#3 れん、って名前 ページ3
「え、そこ誰かいんの？」
「猫や。猫」
「猫？廉ってそういうキャラだっけ」
「猫好きやねん、おれ」
「猫舌なのに？」
段々と遠ざかっていく2人の会話に、ぼんやりと耳を傾ける。
_______れん。
れん、って呼ばれてた。
きっと関係があったのは今だけで、明日からはまた無関係なんだろうけど。
一応この名前くらい、覚えておこうと思う。
「………すっぱ」
今更味が戻ってきた梅干しは、強烈に酸っぱい。
れんって名前、心臓のバクバク、口いっぱいの酸っぱさと、抜けないザワザワ。
こんなに心が忙しくなったのは久しぶりだ。
お昼を食べ終えて、チャイムギリギリのタイミングを狙って教室に入る。
念のため教室をぐる、と見回したけど、さっきの2人はいなかった。
クラスは違うということだ。
そもそも、学年が同じとも限らない。
3年の上履きのラインは青だけど、さっきは上半身の紺ネクタイしか、見えなかったから。
「んじゃあ、初回なんでね。今日はクラス分けテストやります」
お昼の後で眠たい、数学の時間。
そういえばこの学校、3年生から教科ごとにクラスが色々分かれるって、聞いたような聞かなかったような。
狭い部屋で1人で聞かされたガイダンスは適当に聞き流していたから、詳しくはよく分からないけど。
この手のテストは、昨日もやった。
英語と国語。だから多分、分かれるのは少なくとも英数国。
けどクラス分けなんて、私からしたら面倒なことに他ならない。
ずっとここの隅っこの席で、ひっそりとさせてもらえたらいいのに。
「むずかったー」とか「眠かったー」とか、そんな声が一斉に聞こえたのは30分後。
それから淡々と他の授業も終えて、ようやく放課後。
相変わらず誰よりも早く席を立って、教室のドア目掛けて一直線に向かった。
根暗だの陰キャだのって、色々と思われてるんだろうけど。
勝手に思ってれば別にいいさ、私が好きでこうしてるんだから。
「あ！ここのクラスなん、猫好きちゃん」
ガラガラ、と引き戸を開けた途端、真正面の紺色カーディガンに顔から衝突しそうになって、思わずギュッと目を瞑る。
「え誰、知り合い？」
事態を整理し切れていない内に聞こえてきたのは、さっきも聞いたハスキーボイスだった。
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もちこ(プロフ) - yimmさん» はじめまして！コメントありがとうございます。お楽しみ頂いているようで何よりです…！ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月25日 17時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - もちこさん、はじめまして☆お話楽しく読ませていただいてます。この後の展開を妄想するとなんかだかドキドキ(笑)更新頑張ってください。 (2020年10月25日 7時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - しおりさん» コメントありがとうございます。主人公可愛く書けててよかったです…！これからも是非色んな想像をしながらお楽しみいただけると嬉しいです、よろしくお願いします！！ (2020年10月23日 17時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 欲しいスタンプ俺が買ったるって何語ですか…？永瀬さんの妹になって買って貰いたい！それからなんですか！主人公ちゃんの可愛さ！！永瀬の妹って立場利用して主人公ちゃんと付き合いたい！ (2020年10月22日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです。ご期待に添えるようこれからも更新頑張ります！ (2020年10月20日 22時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちこ | 作成日時：2020年10月13日 19時
