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俺は今、伊波に頼まれ渋々引き受けたAのお守りをしている。
美容室の少し良さげな椅子に腰掛け、Twitter…Xでファンアートを見ながら暇を潰していた。
そんな中、当の本人は美容師とくっちゃべりながら横髪をクルクルに巻かれている。
確かにこんな芸当は俺ら四人に到底出来そうに無い。
俺は早く戻ってこい、と願いながら周りを気にした。
こんなポップで可愛らしい内装に男一人が女を待っている図は流石に人目が気になる。お願いだ、早く戻ってこい…。
「こやっ!」
「あ?」
Aが上機嫌にこちらへ声をかけたのは、30分が経過した頃だった。
こちとらとっくに女性スタッフがココアを手元に持ってきている。
スマホから顔を上げてると、視界に映るのは両耳の上に団子をくっつけ、いつもより凝ったメイクが施されているA。
「どう?可愛いだろ??」
「へーへー、かわいーかわいー」
「は?」
「てか次は呉服屋だ、急ぐぞ」
「…はーい」
そう俺が急かすとAは口を尖らせながら返事を返し、俺らは美容室をあとにした。
一方その頃叢雲は拠点でやいのやいの言いながら星導と伊波が選んだスーツへと着替えていた。
因みに星導のここ好き!は黒シャツに黒いジャケットというまるで闇金の取り立てのような組み合わせであるところだ。
深い緑のネクタイを伊波がキュッと結ぶと叢雲は普段の服とは違い、息苦しさで顔を顰める。
「…成人式ってそんな大切なんか?」
「少なくともネクタイが嫌でバックレる奴は居ないでしょうね」
「なんや…」
意外に器用な触手で綺麗にセットされた、カゲツの白くふわふわな髪をバックミラーで見やる。
ウンイカーを出し左折すると見えてきたのはAとロウが待つ呉服屋。
俺は軽々駐車をこなし、中で待っているロウへとLINEを飛ばす。
後ろの白い頭は忙しなくソワソワしているようで、わたくもくんが宥めている。
すると車のスライドドアが開き、可愛らしくおめかしをした俺らの紅一点と心做しか窶れた狼が姿を表した。
「お、カゲツもカッコよくなってんじゃん」
「おつかれー」
「マジ長ぇのなんの…」
「…おつかれー」
俺はこいつらを式場まで送り届けたら、ココアでも入れてやろうと決心した。
待ち時間ごとに飲み物を提供されたと聞いたのは、また別の話である。
不手際で続きが消えたので少々お待ち下さい…泣。
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焼き餅もちもち(プロフ) - 美泳さん» 全然気付きませんでした…ご指摘ありがとうございます! (2月2日 22時) (レス) id: 2dcf268308 (このIDを非表示/違反報告)
美泳(プロフ) - コメント失礼します。概要のところに書いてあるヒーローたちの名前なのですが、akgくんだけ抜けてるように見えるます。気のせいでしたらごめんなさい。 (2月2日 8時) (レス) id: 69c64fedee (このIDを非表示/違反報告)
焼き餅もちもち(プロフ) - 仁科さん» ありがとうございます!ご期待のそえる出来になるか分りませんが、今日中に投稿めざして頑張っているので少々お待ち下さい! (1月27日 10時) (レス) id: 2dcf268308 (このIDを非表示/違反報告)
仁科(プロフ) - 成人式のお話とても楽しみです…!! (1月24日 22時) (レス) @page27 id: 81dc20dea8 (このIDを非表示/違反報告)
焼き餅もちもち(プロフ) - 左右田湊翔さん» リクエストありがとうございます!遅くなりそうですがやらせていただきます! (1月23日 20時) (レス) id: 2dcf268308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちびーむ | 作成日時:2024年1月3日 21時