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｢みて｣
ｸｻﾞﾝ｢すげぇな｣
指示された通りひたすら真っ直ぐ進んできたところで島の端に出た。
そこは断崖絶壁で荒れる雲を眺められた。
この島は雲の中に存在する。
そして緩やかな風は島を荒れさせることは無い。
ｸｻﾞﾝ｢海が見える｣
｢下はハリケーン｣
ｸｻﾞﾝ｢これは誰も気づかないのも分かるな｣
未確認だったエルーン族の真相が分かったところで、
Aはまた行先の指示をした。
｢次あそこ｣
ｸｻﾞﾝ｢…いや、あれは俺無理でしょ｣
生い茂る木々の中、僅かに見えた一際大きい木。
登るのだろうか。クザンには無理だ。
｢飛ぶ！｣
そう言うとAの背中から黒い翼が生えた。
大柄のクザンを持ち上げると大風巻き上げて狭い木々の間を悠々と飛び始めた。
最初に出会った時はドラゴンそのものに変身したAだったが、
人型のままでも翼が生えるらしい。
ｸｻﾞﾝ｢か、風が……っ｣
｢怖い？｣
十分怖いです、と言いたい。
腕につかまったまま飛んでいるわけだから靴が脱げそうなクザン。
そして足元ギリギリに木が触れるか触れないかの距離。
彼女の飛ぶスピードは速すぎる。
しかし見晴らしがいい。
一際大きな木と思っていたら、その後ろに塔がある。
いや、後ろではなく巨大樹に突き刺さる塔だった。
次第に距離が近くなり、塔の頂上に着いた2人。
ｸｻﾞﾝ｢おじさん、女の子に初めて持ち上げられた…お嫁行けない｣(ﾎﾞｿｯ)←
｢酔った？｣
ｸｻﾞﾝ｢いや、大丈夫。感情に浸ってただけ…｣
｢？｣
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作者名：海原うに | 作成日時：2018年11月18日 22時
