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ﾄﾞﾗﾌ｢今日はもう日が暮れる。お兄さんもあまり外を出歩いたらダメだぞ｣
ｸｻﾞﾝ｢ああ｣
ﾄﾞﾗﾌ｢Aさん、また今度お世話になります｣
｢うん｣
ドラフ達は礼儀正しくお辞儀をして帰って行った。
あの後、少しだけ談笑したが、クザンには引っ掛かりがあった。
ピクシー族の滅亡。
大きな問題だった。
これからピクシー族と戦うのに、クザンは己の能力で絶滅させてしまうのはダメだと分かっていた。
それを許すエルーン族はきっと傲慢だろう。
そして怠惰。
ﾉｱ｢今日は満月みたいですよ。お師匠様は早く寝てくださいね｣
｢うん｣
ｸｻﾞﾝ｢…｣
満月の夜、彼らは早くに寝るらしい。
正確にはAだけかもしれないが。
薄々勘づいてた。
｢ルナ｣とはAの一部なのでは、と。
満月と関係があるのなら再びあの塔へ赴く他なさそうだ。
ﾉｱ｢クザン様、お部屋をご用意致しましたのでどうぞ｣
ｸｻﾞﾝ｢悪いな｣
ノアはどこまで知っているのだろうか。
ノアが部屋を案内する後ろをついて歩いた。
ﾉｱ｢こちらです。食べ物もお酒も下界で揃えました｣
ｸｻﾞﾝ｢行き来できるのか｣
ﾉｱ｢転送魔法です！
クザン様のお口に合うものといえば下界の食べ物でしょうし、
この魔法使ってみたかったのです｣
｢お師匠様には秘密ですよ｣と口封じをお願いされたクザン。
机の上にはパンや野菜、そして酒のボトル数本。
月見酒でもしようか。
まだ薄明るい空に浮かぶ大きな月に酒を掲げた。
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作者名：海原うに | 作成日時：2018年11月18日 22時
