虹色の花束を捧げる

アセビ 【☔️】 ページ10

あおく、青く澄み渡った空の下
２つの影が駆けていく道路
　
　
「こさめくん！」
　
　
あっちいこ！と河川敷を指差し走り出す女の子。
　
それに付いていく男の子。
　
ふさふさと生えた草に寝転ぶ２人は
とても幸せそうな表情を浮かべている。
　
　
『Aちゃん、これ買ったんだけど食べる？』
　
　
肩にかけていた鞄の中から取り出されたクリームパン。
　
食べる！と元気よく答えた女の子に
半分にちぎったパンをはいっ！と手渡している。
　
２人とも口の中いっぱいにパンを詰めて
もぐもぐと目の前のパンに夢中になっている。
　
　
「ねぇこさめくん」
　
　
ん？と軽く首を傾ける男の子。
　
　
「私達何しに来たんだっけ」
　
『Aがどこか行きたいって行ってきたんじゃん』
　
　
そうだっけ、という女の子に笑いかける男の子。
　
　
『Aが嫌なこと忘れれるならいいよ』
　
　
Aよく溜め込むんだから、と呆れた様子。
　
もう帰る？満足した？と聞く男の子に軽く頷く女の子。
　
　
『A大丈夫？まだこのままが良い？』
　
　
ううん、と首を振る女の子を優しく包み込むように
あまく、甘く問いかける。
　
　
「...また、こさめくん、付き合ってくれる？」
　
『そんなのもちろんじゃん』
　
　
こさめも楽しんじゃってるから、と笑う男の子。
　
じゃあ帰ろっか、と立ち上がり、
女の子の方に手を差し伸べる。
　
その手を取り、ぐっと身体が持ち上がる女の子。
　
　
『Aが求めるならいつでも、どこへでも』
　
　
背中を向け、帰っていく２人の水色の瞳に反射して、
差し込んだ光がきらきら光っている。
　
こんな日も、どんな日も。
　
きっと２人ならどこへだって。
　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
アセビ あなたと２人で旅をしましょう

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