虹色の花束を捧げる

藤 【🖋️】 ページ49

「こっち準備できました！！」


俺も出来た、と色々な方向から上がる声。

辺りを見回すと変貌を遂げた部屋の姿。


『こさめ、疲れたー！』


全員疲れてっから、といつも通りの掛け合い。

冷蔵庫に入れていたジュースを何種類か取って
コップと一緒に持っていき、よろしければ、と出す。

カーペットの上に全員で座って一息吐く。


『Aちゃん？』


誘ってくれてありがとね、とらんさんから言われるも
こちらからしたらこんなにたくさん手伝って頂けて
本当にありがたすぎる、と返す。


『帰ってくるの、あと１０分くらい？』

「そー...ですね」

『...もしかして緊張してる？』


喜ばなかったらなっちゃんといるませんせーが
すちのこと殴ってくれるから大丈夫。


『宣言しといたし歯全部折るか』


なんて、和やかになっていく雰囲気。

ぴろ、と音を鳴らしたスマホを確認すると
すちくんからで。


「も、もう着くらしいです！」


早くね！？と言いながらバタバタ定位置に着く。

心臓をどくどく鳴らしながら時間が経つのを待つと
静かな空間にがちゃ、と音が鳴り響く。


『ただいまー...』


A、出掛けてる？と言いながら近付いてくる足音。

リビングのドアが開けられた途端に
耳がおかしくなりそうなくらい大きなクラッカーの音が
部屋中に鳴り、みんなで耳を押さえる。

荷物を持ちながらぽかん、も立ち尽くすすちくんを
らんさんがどうぞどうぞ、と真ん中に案内する。


『みんな...』


これ、用意してくれたの、？


『俺らが始めようって言ったんじゃないけどね』

『そうそう、Aちゃんが昨日急にね』


予定ずらして来てくれてる人もいる。

凄いなぁ、愛されてるなぁ、と傍で見ていると
すちくんの目がきらきらと光を反射させる。


『すっちー、泣いてんの？』

『...っ泣いてないっ』


それはもう泣いてんだろ、と笑っているいるまさんも。

それに釣られて泣いているなつさんも。

抱きつきにいくこさめさんも。

おかえりって優しく笑うみことさんも。

全員を暖かく見守ってるらんさんも。

みんなでぎゅ、っとハグすればいい。
この空間が壊れることのないように。


ねぇすちくん、何回でもおかえり、って言わせてね。

誰もすちくんの側から離れたりしないから。





＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
藤 歓迎、決して離れない





9/17 本当に、おかえりなさい。

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