虹色の花束を捧げる

ナンテン 【🖋️】 ページ43

『Aー、大丈夫ー？』


キッチンの方から聞こえてくる声に
大丈夫ー、と答える。

ずっと家事してくれてるんだから
２人で仲良く休んどいてね、とソファに座らされた。


『ぱぁーぱ！ごはん！』

「今パパが用意してくれとるからね」


もうちょっと待とうね、と
ソファの上で立ち上がった娘をもう一度座らせる。

ことん、ことん、と食器を用意している音が聞こえる。

ここで座って待ってるんよ？とキッチンに向かうと、
食器にご飯をよそっているすちくん。


「すちくん、手伝うで？」

『じゃあ、もうよそったやつ持って行ってくれる？』


そこの台にまとめて置いてるから気を付けてね？

すぐ側の台の上に置いてある肉じゃがと味噌汁。
白い湯気がふわふわと美味しそうな匂いを漂わせる。

思わずお腹が鳴ってしまいそうなのを押さえつけ、
２皿ずつダイニングテーブルに運んでいく。


『手伝ってくれてありがとねぇ』


そーっとすちくんの分を運び終わり、振り返ると、
後ろからお茶碗を３つ同時に持ってきている。


「ううん、全然よ
　逆にこんな美味しそうなん作ってくれてありがと」


お漬物出しちゃうから呼んできてくれる？と
口角をふにゃりと曲げて笑うすちくん。

リビングのソファの方に戻って
ご飯出来たからおいで、と声を掛けると
ばっ、と飛び上がる娘。

椅子に座ってきらきら目を輝かせている。
肉じゃが、大好きだもんね。

席に着いて、手を合わせていただきます。

美味しそうに食べている娘を確認してから
肉じゃがを口に運ぶと、口に広がる懐かしい味。


「すちくん...これ...」

『気付いた？』


関西の、Aの実家の、頑張って作ってみた。
甘かったかな、って思ったんだけど大丈夫？


「うん...めっちゃ美味しい...」


良かった、と安堵した様子のすちくん。

A、いつも俺の味に合わせてくれるから
俺もAの方に合わせよ、って思って。


『まま！これ！おいしい！』


肉じゃがを指差して喜んだ様子の娘を見て
２人で目を合わせてくす、と笑ってしまう。

無邪気で、可愛くて。

こんな日を過ごしていきたい。

笑い溢れる平和な家族の夜ご飯。





＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
ナンテン 良い家庭
　




＿＿＿＿＿ Special Thanks ＿＿＿＿＿

リクエスト者 ゆーちゃん様

２回もありがとうございます！
なんだか迷走した気もするので、
文句あればいつでも受け付けてます...

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