虹色の花束を捧げる

黒薔薇 【🌸】 ページ42

がやがやと騒がしい街中での待ち合わせ。

壁にもたれかかってスマホをいじっていると
画面の上の方に表示されるメッセージ通知。

らんくんからのもうすぐ着く、というメッセージに
既読を付けて、スマホを鞄の中に入れ、辺りを見回すと
駅の方からすいすい歩いてくるらんくん。


『ごめん、A待たせた？』

「ううん、今来たとこ」


暑いしとりあえずカフェ行かん？
みことにおすすめのとこ最近聞いたんよね、と
スマホで場所を調べ始めるらんくん。


『あ、こっちらしい』


する、と自然似合う手を取られて引き寄せられ、
人混みを掻き分けるように歩いて行くと、
落ち着いた雰囲気を出したカフェが見えてきた。

ドアを開くと、からんからん、とベルが鳴り、
奥の方から店員さんが出てくる。

２名で、とらんくんが伝えると
２名様ですね、こちらへどうぞ、と
とても丁寧に案内してくれる店員さん。

特別混んでいる感じではないけれど、
カフェ自体が広いからそこそこ人はいる。


『こちらお冷になります』


ご注文決まりましたらお呼びください、と
メニューをテーブルの上に置いて引いていく。


『みことはタルト美味しいって言ってたから
　俺タルトとコーヒーにするけど、Aどうする？』

「んん...私はタルトとカフェオレにしようかな...」


おっけー、注文する、と店員さんを呼んで
ぱぱっと注文してくれたらんくん。


「らんくん、ちょっとお手洗い行ってきていい？」

『もちろんいいけど、場所分かる？』

「うん、大丈夫、分かるよ」


じゃあいってらっしゃい、と見送られ、
店の奥まった場所にあるお手洗いで手を洗って、
メイクの状態を確認してから席に戻ると、
綺麗で可愛い女の人に囲まれてるらんくん。

大丈夫です、と視線も向けずに断っているものの
逆ナンがそんな簡単に引くはずもなく。


「あの、！」


後ろから声を掛けるとばっ、と集まる視線。


「私の彼氏、なので、止めてください...」

『...こーいうことだから、どっか行ってくれない？』


女の人を冷たい視線で見つめるらんくん。

おかえり、と私にだけ暖かく笑いかけてくれる。

その顔を見れるのは私だけで良い。





＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
黒薔薇 貴方はあくまで私のもの
　




＿＿＿＿＿ Special Thanks ＿＿＿＿＿

リクエスト者 月巡 様

ナンテン 【🖋️】→←杏子 【📢】

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