虹色の花束を捧げる

青エゾギク 【🌸】 ページ5

『行ってくるね』
　
　
いい子にしとくんだよ、と頭をぽふぽふと撫でられる。
　
　
「...うん、待ってる」
　
　
じゃあ、と片手をあげて家をでていくらんくん。
　
ばたん、とゆっくり閉まった扉をそのまま少し見つめ、
ふらりとリビングに戻る。
　
お仕事の関係で飲み会に行ったらんくん。
　
普段いっぱい好きを伝えてくれるらんくんだから
信頼してるけど、女の人がいて心配なのは間違いない。
　
　
「こういうときはぱーっとお風呂入って
　ぱーっと寝るのが一番だよね」
　
　
着替えとスキンケア用品をばばっとかき集めて
洗面所に向かって、そのまま浴室へと入る。
　
　
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ぼふっ、とふわふわの毛布に飛び込む。
１人じゃ大きめのセミダブルベッド。
　
　
「さむい、なぁ...」
　
　
らんくんがいないからなんだろうか、
いつもあるはずの寝る時の温もりがない。
　
毛布に染みついているらんくんの匂い。
毛布を抱きしめながら目を閉じると
少しずつ意識がふわふわしていつの間にか寝ていた。

　
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ぎゅっと手を握られる感触で意識が浮上してくる。
目を少しずつ持ち上げると目の前に
もう既にパジャマに着替えたらんくんの姿。
　
　
『起きちゃった？』
　
「ぅん...らんくん、おかえり...」
　
　
ただいま、と頬を少し上げた優しい笑顔。
　
いっぱい待たせちゃったね、一緒に寝よっか、と
毛布に潜り込んでくるらんくん。
　
いつもの温もりが戻ってきて、
少し強めにぎゅっとお腹に抱きつく。
　
　
『どうしたの？寂しかった？』
　
「ううん...眠いだけ...」
　
　
はは、と軽い笑いをこぼすらんくん。
　
このほんのちょっとの嫉妬心は私の心にしまっておく。
らんくんは別に知らなくてもいいんだから。
　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
青エゾギク 貴方を信じているけど心配
　

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