虹色の花束を捧げる

クリスマスローズ 【🎮】 ページ23

ちらちらと光るクリスマスツリー。
　
東京の煌びやかで豪華な感じではないけど、
家の中で小さくライトアップさせたもの。
　
クリスマスといえば２４日が本番っていう人と
２５日が本番っていう人で派閥が別れるよね。
　
リビングのこたつでぬくぬくと温まりながら、
ぽちぽちと片手でスマホをいじる。
　
クリスマスだし、今日はなつくんいないし、
自分にプレゼントでも買っちゃおうかなと
通販サイトをスクロールしていると表示されたのは
なつくんが匂い好き、って言ってた香水。
　
高くて無くなってから全然使ってなかったけど、
これだったら自分へのプレゼントにもなるかな。
　
　
「え、売り切れてる」
　
　
在庫がないようで、無慈悲にも売り切れを示すサイト。
　
買いに行くのは面倒くさいから嫌なんだよなぁ...
　
また入荷してたら買おっかな、とサイトを閉じると、
丁度良いタイミングでお腹がくぅ、と音を鳴らす。
　
クリスマスの食べ物といえば
シチュー？チキン？シュトーレン？
　
どれも美味しいからなぁ...
でも全部１人で食べるってなるとなぁ...
　
うー、と悩んでいると、
がさがさ、と玄関から音が聞こえる。
　
え、誰、鍵閉めたよね、？と身体が強張ると、
そのままリビングまで近付いてくる人影。
　
　
『あー、いたいた』
　
「え、なつくん？」
　
　
入ってきたのはなつくんで、
今日会社で集まるんじゃ、と思わず声に出る。
　
会社の奴らとは昼から集まってたから
途中で抜けれるなら抜ける予定で抜けてきただけ、
と簡潔に説明してくれたなつくん。
　
　
『さっさと飯食おーぜ』
　
　
袋からチキン、ピザ、酎ハイ...
とどさどさ出てくるご飯と飲み物。
　
どうせ用意してないだろうと思って買ってきた
とまるで行動を読まれている。
　
　
『んで、これ』
　
　
手の平に乗せられた綺麗にラッピングされた袋。
　
　
「これ、開けていい？」
　
『どーぞ』
　
　
しゅる、と紐を解いて、箱を取り出すと
出てきたのは紛れもなく買おうとしてた香水で。
　
　
「なつくん、これ、覚えてたの...？」
　
『そりゃまあ、好きな匂いだったし』
　
「ありがと...」
　
　
プレゼント持ってくるから待ってて！と言うと
笑いながら飯用意しとく、となつくん。
　
貰った香水と似た匂いのいわゆるペア香水を
ラッピングした袋を部屋に取りに行く。
　
一緒につけて出掛けれたらいいな。
　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
クリスマスローズ 大切な人
　

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