虹色の花束を捧げる

イカリソウ 【☔️】 ページ19

やだ、って言ったら、だめ、？
膜を張り、きゅるんとした瞳を向けられたら
そんなの、断れるわけないじゃん...
　
　
「...しょうがないなぁ」
　
　
やった！と少年のような弾けた笑顔。
　
私なんかよりよっぽど可愛い。
　
　
『...ーえ、ねーえ！』
　
　
A？だいじょーぶ？
　
癒されでかけられていた声に気付かず、
こさめくんがむぅ、と頰を膨らます。
　
　
『A！こさめこれ着てほしい！』
　
　
久しぶりのデートだ、と喜んでいるこさめくん。
いつも仕事で後回しにしてしまっている節はある。
　
だからこそこうして素直に喜ばれると
こさめくんの優しさに甘えている自分が嫌になる。
　
　
「うん分かった」
　
　
着てくるね、と受け取ろうとすると
考えているのが伝わってしまったのか
　
　
『ねえA、なに考えてるの？』
　
「...んーん、何もないよ」
　
『こさめのこと、信用できない？』
　
　
そんなこと、ないのに。
私が言えてないだけなのに。
　
　
『こさめ、Aの考えてること全部知りたい』
　
　
不安なら不安って、楽しいなら楽しい、って
全部全部素直にいっぱい伝えて欲しい。
　
それがこさめにとって１番幸せだから、ね？
　
こて、と首を傾けて、顔を覗かれる。
　
奥まで届いてしまいそうな透き通った瞳と目が合い、
なにもかも綺麗になってしまいそうになる。
　
　
「...いつも、」
　
　
仕事ばっかでこさめくん優先とか全然出来なくて、
なのにこさめくんはいっぱい優しくしてくれて、
私ばっか幸せになって申し訳ないな、って...
いつか、離れてくんじゃないかな、って...
　
うんうん、と頷きながら話を急かすことなく
ゆっくり全部聞いてくれるこさめくん。
　
そういうとこが優しいんだよ。
　
　
『こさめ、Aのこと大好きなんだよ』
　
　
ほんとに！いっぱい！大好き！と
大きな身振り手振りで表現するこさめくん。
　
だからね、こさめはAの方が離れていかないかな、
っていつも心配してるんだよ。
　
A、めっちゃ可愛いもん！
　
だからAがこさめから離れてかないように
いっぱい優しくするしいっぱい甘やかすんだよ。
　
たくさんの言葉。
お互い離したくない、離れたくない。
　
　
『ね！だからデート行こ！』
　
　
Aがどう思うかいっぱいいっぱい教えて。
それがこさめの幸せだから。
　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
イカリソウ 君を離さない
　

リナリア 【👑】→←黄色スイセン 【🌸】

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