虹色の花束を捧げる

紫パンジー 【📢】 ページ17

カーテンの隙間から差し込む光で
目をぱちぱちとさせながら意識が浮上する。
　
体を起こそうと力を入れるも、
どうも言うことを聞かない体。
　
体調悪い、かも。
　
でも今日ならまだ大丈夫。
いるまくんは作業終わらねぇから明日部屋籠るわ
って言ってたし。
　
本格的にやばいかも、と
会社に連絡だけ入れて、またベッドに身を委ねた。
　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　
　
本日２度目の起床。
何時だろう、と時間確認すると１３時で
だいぶ寝てしまったな、と反省する。
　
朝から飲まず食わずで喉の渇きと空腹を
顕著に感じて、部屋を出てキッチンへと向かう。
　
　
「...あ」
　
　
ふと顔を上げると目の前にいたのはいるまくん。
　
　
『...え、A、会社は』
　
　
そうか、私が休んだことなんて知らないのか、と
１人で勝手に納得して、どう説明するか考える。
　
体調が悪い、と正直に言えば、
きっと作業を放っぽり出して看病してくれる。
　
でも活動を邪魔するのは私の願いではない。
　
んんん...と悩んだ末に
　
　
「ちょっと今日することあってさ」
　
『それならいいけど』
　
　
A、なんか顔赤くね？
じり、と距離を詰められ、手を伸ばされる。
　
やばい、触られたらバレる、と願い虚しく
おでこにぴた、と触れたいるまくんの手。
　
ひんやりしてて気持ちいい。
　
　
『...！A、熱あんだろ』
　
　
はい、強制連行、とぐっ、と体を持ち上げられ、
そのままベッドにとさ、と置かれる。
　
ノートパソコン持ってくっからちょっと待ってろ、
と言って、本当にすぐに戻ってきたいるまくん。
　
　
「なんで、ノートパソコンなんて」
　
『はぁ？』
　
　
A、絶対看病されたら気ぃ使うだろ
私のせいで作業中断させちゃったー、とか。
だからAがなんも思わねーように持ってきた。
　
　
『で？何食べたい？』
　
　
なんでも買ってくっけど、と続けるいるまくん。
　
ちょっと、なら甘えてもいい、？
　
　
「いるまくん特製のお粥、たべたい...」
　
『...しゃーねーなぁ』
　
　
作ってやっからちゃんと寝とけよ、と
腰を上げて扉に向かっていくいるまくんの背中に
　
　
「いるまくん、ありがと、ね」
　
　
『俺の彼女なんだから当たり前だろ』
　
　
にや、とも取れる笑い。
やっぱり、いるまくんだからだいすきだ。

　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
紫パンジー あなたのことで頭がいっぱい
　

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