虹色の花束を捧げる

アイビー 【👑】 ページ15

色とりどりのステンドグラスを通った光が白基調のチャペルを彩る。
　
差し込んだ光はほんのりと暖かく、
招待客の心をも温める。
　
ステンドグラスの反対にある大きな木造りのドアが
ぎぃ、と軽く軋む音を立てながら開かれる。
　
そのドアから出てきたのはレースが何重にも重ねられ、
ふわり、と聞こえてきそうなくらいボリュームのある
ほんのりと黄色いグラデーションのかかった
ウエディングドレスを着たA。
　
ベールを被った状態で少しずつ、少しずつ
前へとゆっくり進んでくる。
　
数分かけて俺の目の前まで歩いてきたのち、
向き合った状態で滑らかにす、と俯く。
　
ベールを両手で優しく掴み、
そのまま頭の後ろまで上げる。
　
目がぱち、と合う。
　
ほんのりと紅く染まった頬。
いつもとは違うメイク。
　
普段から見ているはずのAが
まるで違う人かのように思えるくらい綺麗で。
　
　
「...みことくん」
　
　
タキシード似合ってる、かっこいいね
とまるで花のような笑顔を咲かせるA。
　
　
『...Aも、めっちゃかわいい』
　
　
へへ、と頬が緩む。
　
式の途中でこうしてこっそり話すのも俺達らしい。
　
でもそれで良い。それが良い。
　
どれだけ歳を取ろうと一緒に笑えたらそれで良い。
　
　
『ずっと、ずっと一緒に居てくれる？』
　
　
もちろん、とはっきり言い切ったAの隣で。
　
Aの腰をぎゅっ、と持ち上げ下から見上げると
大好きな笑顔。
　
軽く触れ合った唇から相手の温度がほんのりと伝わり、
らしくなくて思わず笑ってしまったのは俺だけの秘密。
　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
アイビー 永遠の愛、結婚
　

ハルシャギク 【🎮】→←プルメリア 【☔️】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す