虹色の花束を捧げる

プルメリア 【☔️】 ページ14

白いスカートがひらり、ひらりと
夜風に吹かれて浮き上がる。
　
水面に反射している白い満月には目もくれず、
月明りを頼りに草むらで探し物をする。
　
かごの中に入っているのは
ついさきほど摘まれた白いプルメリア。
　
　
「このくらいでいい...かな」
　
　
かごの中の花を落とさないように
そーっとその場に腰を下ろす。
　
かさ、と音を立てて置かれたかご。
　
ちょい、とかごから花をつまみ、
持ってきた紐をしゅる、と引っ張り出す。
　
そのまますっ、と花を紐に通してレイを作る。
　
　
「できた...っ！」
　
　
両手でそっと月明りにかざすと
白いプルメリアがちらちらと光る。
　
　
『A？』
　
　
なにしてるの？、と後ろから声をかけられる。
　
急な幼馴染の声にびくっ、と肩が震える。
　
　
『ごめん、驚かせた？』
　
「う、ううん、大丈夫」
　
　
ばっ、と背中の後ろに隠したレイ。
どき、どきと心臓が音を立てる。
　
少しの間、２人で海を眺める。
　
　
『ここの海めっちゃ綺麗だよね！』
　
　
こさめくんの視線が私に向けられ、
沈黙を破るように発せられた言葉。
　
　
「ねぇ、こさめくん」
　
　
ん？と傾けられた首。
　
これ...、と差し出したレイ。
　
　
『...これ、こさめに...？』
　
　
そっ、とこさめくんの手に渡ったレイ。
　
差し込んでくる朝日が
ゆらゆら揺らぐ水面に、
白いプルメリアに、
こさめくんの瞳に反射して
ぱぁ、っと緩い光を放っていた。
　
勇気をくれる、暖かな光。
　
　
　
　
　
＿＿＿＿＿花言葉＿＿＿＿＿
　
プルメリア 内気な乙女
　
満月の夜明けに、朝霧に包まれたプルメリアを集め、
レイを作り、好きな人に渡せれば、その恋は叶う。
という言い伝えで構想しました。

アイビー 【👑】→←サギソウ 【🖋️】

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