ばくはつ ページ4
条件反射でお兄さんの手を叩き落としてしまった罪悪感に頭を抱えていると、とても優しい声で警察だと教えてくれた。
うん、知ってた。
名前とかあんまり覚えてないけどこの人は前世の私が知ってた。
それからお兄さんに抱えられて、宇宙服のようなゴツイ服が置かれてる場所まで運ばれる
。
ちょっと待っててね、と言ってその服を着始めるお兄さんを見つめていると頭のヘルメット?みたいなものを被った瞬間に聞こえた機械音。
聞いたことが無いはずなのに、死刑宣告の音に聞こえて仕方なかった。
……ああ、違う、知ってるわこの音。
だって………前世で死ぬ前に聞いた音だもの。
「う、そだろ……っ!」
『………!!』
「ごめんねっ目閉じて息止めて!」
音がした瞬間にお兄さんに抱えられて声を出せずにいると、くぐもったお兄さんの声が聞こえた。
めちゃくちゃ焦ってる。
お兄さんに言われた通り目をギュッと閉じて息を止める。
階段を駆け下りているであろう振動に体を小さく丸めて少しでもお兄さんに負担が無いように頑張った。
いや、意味ない事はわかってるよ!
小さくしても軽くならないのはわかってる!
「くっ!」
上で聞こえた爆発音と衝撃、そして襲ってくる熱風。
お兄さんは爆発があった場所を背にしてギュッと今までよりも力を込めて抱きしめくれた。
私に熱風や炎が当たらないように。
防護服着てるとはいっても、これお兄さん大丈夫なの?
そんな事を思っていながら意識がどんどん遠ざかっていくのがわかった。
もう、色々と限界だわ。
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2021年8月26日 21時