45・もう１つの姿 ページ45
翌日、甲板に集められたローやクルー達。
彼らの前にはいつもとは違って真剣な顔をしたA。
そんなAの様子に彼らにも少し緊張が走る。
『私は皆んなに話してない事が１つだけあります』
静かに話し始めたAは、拳を強く握りしめ、しっかりと全員を見た。
『それを見て皆んなが離れてっても仕方ない、とも思ってる。でも…仲間に隠し事は嫌だったから…』
だんだんと震えて行く声。それはAにとって大きな何か、というのは十分に感じ取れた。
『これが、私のもう一つの姿』
そう言ってゆっくりと目を閉じたA。クルー達も何が起こるのかと固唾を飲んで見守った。
するとAの体から勢いよく噴出される今まで見たこともない量の赫子。
やがてその赫子はAの体を包み込んで行き、次第に何重にも大きく重なりながら鎧の様に形を作っていく。
誰もが目を見開いて、目の前に現れた巨大なそれに釘付けになった。
人の形の原型はなく、膨れ上がったその形はまるで竜を思わせる風貌。
しかし、それは確かにバケモノ、と呼ぶに相応しいモノでもあった。
「…すげェ」
誰かが、息を吐くかのような声でそう呟いた。
あのローでさえも、Aであったはずの目の前のそれに驚き固まった。
しばらくすると、何重にも重なった赫子は消えて行き、中からは元のAが姿を現した。
『…私は赫者』
「かくじゃ…？」
『喰種の中でも…“共喰い”を繰り返してなるの…それが赫者。そして本物のバケモノ』
共喰い。
あの喰種の世界では当たり前の様に起きてた事でも、人間にとっては異常である事は間違いない。
『だから今まで言えなかった。言ったら…軽蔑…されるんじゃないかって…』
『皆んなが私を拾ってくれたあの日から、皆んなの事を好きになる度に…この姿を見せるのが怖かった』
何を言われるのか。クルー達やローもきっと幻滅しただろう、と。
けれど彼らの口から出た言葉は、全く逆だった。
「すっげェーーーー！！！」
「めちゃくちゃカッコいいじゃねェかよー！」
『…へ？』
予想にもしなかった言葉にAの口から間抜けな声が漏れた。
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イブ - 私は、ワンピースと東京喰種のどちらともはまっているので、もうめっちゃいい作品でした！ (2019年7月14日 14時) (
レス) id: ecc340d7eb (このIDを非表示/違反報告)
ナー(プロフ) - アリス・キーリングさん» ありがとうございます！ワンピ面白いですよね、本当に！！次回作も頑張ります…！ (2018年10月21日 12時) (レス) id: a25e8ef1cd (このIDを非表示/違反報告)
ナー(プロフ) - 白ぴくみんさん» ありがとうございます！そうなんですね！コナン、面白くて…！！ご期待に添えれる様頑張ります！ (2018年10月21日 12時) (レス) id: a25e8ef1cd (このIDを非表示/違反報告)
ナー(プロフ) - あやさん» ありがとうございます〜！！過去の作品も読んで下さっていたなんて…感激です！作者登録まで…(T ^ T)重ねてお礼申し上げます！！こんな作者ですがよろしくして下さいm(_ _)m (2018年10月21日 12時) (レス) id: a25e8ef1cd (このIDを非表示/違反報告)
アリス・キーリング(プロフ) - 完結おめでとうございます！ワンピ私もどハマり中です！次作楽しみです！ (2018年10月21日 7時) (レス) id: f9dc96f517 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナー | 作成日時：2018年9月13日 19時
