7話 ページ7
重岡side
……あの電話がかかってきてから1週間。
「おはようございまーす」
桐山「お！しげ、おはよう」
中間「おはよー」
神山「おはようさん！」
俺たちはまたあの例のアパートに集合することになった。
とりあえず、リビングのソファに座って、リュックを肩から下ろす。
神山「みんなーコーヒーできたで。飲む？」
「ん、もんちありがとう！」 「んあ、ありがとう」 「おん。ありがとう」
渡されたコーヒーを飲みながら、キッチンで忙しそうに動き回る神ちゃんを見つめる。
あの日、電話が切れたあと。
神ちゃんが受話器を静かに置いてすぐ、プロデューサーさんが勢いよく頭を下げた。
プ「……神山くん、ありがとう。……本当に、ありがとう……………」
ありがとう、ありがとう…とつぶやく声は、涙に震えていた。
神山「っ？頭上げてください、特別なことは何もしてへんし……」
おろおろする神ちゃんに言われて、プロデューサーさんはようやく顔を上げた。
そして俺たちの顔を見渡して、言った。
プ「……さっきの電話は、私の娘なんだ」
娘……？ …………さっきの電話の子って、プロデューサーさんの娘さんなん？
プ「さっき、照史くんにスマホを借りて電話をかけたとき、娘がそれにでたんだ。
それで彼女はきっと、この電話の番号が載っているカードを見つけたんだろう。」
小瀧「カードって…あの一枚しか印刷できてないって言うてた……」
プ「そう、それだよ。……私事で君たちに迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ない」
プロデューサーさんの娘さんが……でも今は平日の昼間やし、学校とかないんかな？
そんなことを思ったときやった。
神山「……全然、迷惑なんかじゃないです。」
神ちゃんが、プロデューサーさんを真っ直ぐに見て言った。
神山「さっき、あの子と話してみて、本当に何かつらい思いをしてるんやろなって感じました。
……困ってる人を助けるのが、笑顔にするのが、俺たちの仕事やから。………………俺たちで、
あの子の悩み、解決させてもらえませんか」
俺たちの中で唯一、あの子の悩みをきいた神ちゃんが、真剣な顔でプロデューサーさんを見つめた。
プ「…………」
プロデューサーさんはうつむいたまま動かへん。
彼の葛藤も、わかる。せやけど……
俺が口を開いた瞬間、他の5人も同時に全く同じことを言った。
「「俺たちに、解決させてくださいっ」」
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作者名：もちのきもち。 | 作成日時：2019年12月15日 16時
