14話 ページ14
藤井side
((ドタドタドタッ))
((「…………！これかっ、神ちゃん、あったで袋！！」))
((ドタドタドタッ))
んん………うるさいなぁ、誰やねん。
「…………っは！？」
待って待ってここどこっ？
はっと周りを見ると、、なんや、さっき荷物置きに来た部屋か。
……どうやら、いつのまにか寝ていたらしい。
「………みんな、どこ行った……？」
さっき聞こえたんは、望の声かな。階段を上り下りしてたから、みんな下の階にいるんか？
腰掛けていたベッドから降りて、階段に向かう。と、
重岡「あっ！流星おった！」
ぞろぞろと階段を上がってくるメンバーを見つけた。
桐山「ほんまや！どこにおったん？」
「……部屋で寝てた」
中間「嘘やん！娘さん、もう来たで？」
「ええ！？いつ？」
濱田「まま、とりあえずリビングに行こ」
え？いつのまに来たん！？会いたかった………
みんなでリビングのソファの周りに座る。
あれ？そういえば……
「……神ちゃんは？」
小瀧「今、下であの子の面倒みてる。……過呼吸おこしてん」
じっと階段のほうを見ながら望が答えた。
桐山「……いきなり大勢で来たら怖いよな。やってもうたぁ……」
中間「確かに、知らない大人がいっぺんにでてきたら、なあ……」
重岡「…………」
みんな暗い顔でうつむいている。しげも難しい顔で黙ったまんまや。
と、階段を上がってくる音がして、神ちゃんが来た。
神山「……とりあえず落ち着いたわ。今、自分の部屋にいる」
そう言って、俺の隣に腰を下ろす。
神山「今んとこ、あの子……Aちゃんのこと詳しく知ってんの、俺だけやね。
でも、これから一緒に住んでいく上で知っておいたほうがいいと思うから、Aちゃんの
こと、ちょっと話すわ」
……神ちゃんが話してくれたことは、想像してたよりけっこう重かった。
Aちゃんは、あるひと言が原因で、声を出すことに恐怖を抱くようになった。
しかも、そのことを相談出来る人が今までおらんくて、一ヶ月以上不登校らしい。
神山「……せやから、俺たちが彼女の一番の相談相手にならなあかん」
重岡「………まず、俺たちは“味方”やって伝えないとな。さっきのこともあったし」
濱田「せやなぁ、あの子が一番相談しやすいのは誰なんやろ……」
小瀧「……うーん、」
考え込むメンバーを見ながら、ふと頭に浮かんだことを口にしてみた。
「一番相談しやすいのは、“きょうだい”やろ」
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作者名：もちのきもち。 | 作成日時：2019年12月15日 16時
